うたの一覧
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西手心黒
夕暮れのたなびくを追う甲斐もなく痩せたる足にため息重く
5
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西手心黒
車中から昔の味を反芻す剥がされ白し蕎麦屋の看板
7
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舞
妖精の花しぼむまで人の世に戯れ遊ぶ鈴蘭の咲く
9
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あかぎり
夜半に起き スマホ叩いて午前五時 五月のカーテン 曙光漏れたる
1
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半格斎
胡瓜二種トマト三種を植え終えし 頃見計らい小糠雨降る
7
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び わ
天仰ぎケイトウの花先とがり小さな花が赤く寄り添い
3
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茂作
黍なりぬ西瓜も熟れぬ早く來と 文書きよこす母のふるさと
14
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詩月恵
ふわふわのパンケーキ焼く土曜日の君の背中にわくわくしてる
6
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敦希
角が刺す痛みざらざら溶け早く 舌に名残の甘みは愛し
7
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横井 信
水張り田の夜風に吹かれじっと聞くカエルの歌に元気をもらう
8
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うすべに
鹿の鳴くかすむ月夜にほととぎす 墨絵の山の影をよこぎる
8
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仔柚
貴方を想って育てた睫毛が貴方を想って濡れる夜です
4
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KEN
あの頃の塵ほの舞ひぬ窓の陽に 表紙の夕陽褪せゆく本の
6
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兎桃
物喰わぬ息子に「死ね」と罵倒さる嫌いで良いから食えと応えぬ
1
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仙人の弟子
初夏の夕 紋白蝶は ふわふわと 空中散歩 風に舞う雪
1
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夢花火
巡り行く 夜の狭間には 罠があり 翻したは 蝙蝠傘
3
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滝川昌之
蹴飛ばしたあの日の机は会議室正義感だけ蒼かった頃
14
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痴光山
青葉なか「へら池」の広く 黒々と 映す樹影に 水脈ひく真鴨
3
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恵雪
野辺座り白詰草の花輪編みし幼き日々は遠くなりき
10
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へし切
さみだれの涙しぐれと降りぬればしのぶの山にかかるおもかげ
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