うたの一覧
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恣翁
天鵞絨のごとき苔生す 傍なる巖に 暫し腰を下ろしき
10
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詠み人知らず
家の前 弱るカナブン 動かずに 掴んで花壇 置いて見守る
7
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夕夏
ろあくとはぜんにんにありぎぜんとはあくにんにありどくさいしゃにも
1
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夕夏
うつくしきへいげんとまちはかいつくしていいわけとするどくさいしゃ
1
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詠み人知らず
一滴 水面に涙 落ちる前 光る手により 救う心よ
6
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さえね
この砂にいつか小さな花が咲き実がなるまでの千年を思ふ
4
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さえね
われわれがみな滅んでもわれわれのことばは遺る 砂のごとくに
2
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さえね
白といふことばひとつが残されて二一〇〇年日本語滅ぶ
3
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なりあきら
五月晴れ 滝は流れる 涼しげに さっと夏服 羽織るかのよう
3
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KEN
雨あがり 闇冴え澄まむ 不如歸 蠍座の下 鳴き渡り行く
9
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舞
あの映画あの役の人夫婦して顔はうかぶもともに名はでず
5
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茂作
二年の時を隔てて吾が宿に 紫陽花咲くや夏の始まり
14
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灰色猫
本当に夏が来たのか水面へと顔をのぞかせたゆたうかえる
7
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灰色猫
飛翔するかえるのように美しい白さのままで飛び込むあなた
6
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灰色猫
一本の天から垂れる絹糸を万年かけてかえるが昇る
9
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灰色猫
水脈の通へる森の切り株に眠るかはづが龍を夢見る
7
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灰色猫
夜明けごろ仄かに青い白滝を虎の如くに落ちゆくかえる
7
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詠み人知らず
朝顔に 出会うことなく 夏が過ぎ 暗がり動く 夜光虫よ
4
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ハーコット
添うてこそ道なれと知る 赤き糸ほどきて獅子が昇りゆくまで
6
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うすべに
吹きわたる風にはやくも波立てる 土佐の田んぼは青田のよそおい
6
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