うたの一覧
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佐々一竹
特売の葡萄が黒く翳なしてひとたちは皆過ぎ行くのみに
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詠み人知らず
酔う宵の海に一滴真実の酒を垂らせばあやうき波紋
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詠み人知らず
背後から誰かがお札を張る気配! 逃げるか止まるか女キョンシー!
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詠み人知らず
迷え我 堺女のゆらぐ血は浪立つちぬの海に尋ねよ
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詠み人知らず
臨終の泣き声のなか医師立ちて見られぬように拳をにぎる
3
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詠み人知らず
世界一大きな鍵で封をした霊魂眠る「大仙古墳」
2
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詠み人知らず
プロならば泣くなと叱り背を向けるあの娘も昔は泣き虫だった
6
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山本克夫
坂道の途中から見下ろす街並み アイシテルって叫んでもいいよ
4
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佐々一竹
音もなく雨は降りだす父と子の深い眠りはさまたげられず
3
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山本克夫
ピンクなんていずれうすよごれてくすんでゆくんだから ピンクなんて
2
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山本克夫
まあ、引退もなにも、そもそも、はなやかな表舞台とはむえんな立場
1
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山本克夫
どうせおでこに済みマークつけられて捨てられるアンドロイドもどき
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山本克夫
魔法なんていつかとけると判ってますが、まほうをかけてしあわせの
2
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まき
コーヒーとチーズとタバコが燃料で君がいないと起動しません。
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悠々
秋雨ハオンナノ泪カシトシトト譯モナイノニ心濡ラスヨ
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まき
薬指につけた指輪が重そうな女が映る朝の鏡面
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ななひと
カマンベールに指を突っ込む。秒針の鋭利に欲情する乙女よ。
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佐々一竹
ほの赤き林檎にナイフを入れる時深まる秋が展かれてゆく
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ななひと
ゾウリムシの真実である。給湯管からやわらかな憔悴が這い出る。
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ななひと
回転する苦労をべろべろ舐めるのだ。日干しの蛙が塩漬にされている。
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