カテゴリー: 挽歌

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詠み人:

灰色猫

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入院当初は歯磨きセットしか許可されなかった
今思えば奇行ですが、夜、歯磨き粉を窓に塗ってその上に爪で短歌を綴っていました
翌日には淡々と拭き消されましたが
なにを綴ったのかが思い出せない

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平成二十六年五月十日
歯磨き粉 凍てつく窓に 塗りたくり  爪で綴った 君への恋歌