挽歌
(11)
灰色猫
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入院当初は歯磨きセットしか許可されなかった
今思えば奇行ですが、夜、歯磨き粉を窓に塗ってその上に爪で短歌を綴っていました
翌日には淡々と拭き消されましたが
なにを綴ったのかが思い出せない
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平成二十六年五月十日