恣翁のお気に入りの歌一覧
ほたる
ペディキュアも知らない頃の素足には桜貝がならんでいました
9
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花鳥風月
でかい蜘蛛見て逃げ惑うその先で搦め捕られた 妻の視線に
2
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詠み人知らず
寂しい日蜜柑を剥けば日光の様な飛沫が「元気出せ!」と言う
10
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しまじま
よどみより いやいや一葉 旅立ちぬ ゆらりゆらりと 漂いたるに
2
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悠々
生きるてふこと切なくて海見ればなつかしき貌なつかしき聲
21
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只野ハル
休みたいシグナルを出す肉体と別の世界で彷徨うこころ
3
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只野ハル
ラジオからアズナブールの帰り来ぬ青春聴こゆ陽は既に落つ
3
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氷魚
紙屑にされた手紙も割られた皿もそれは等しく悲鳴であった
11
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舞
待つ人の我が家にありて有り難く酔いても思う家の灯りを
11
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岩崎純一(純星)
石蕗や花もあはれに艶なして葉の間も清き冬の夕暮
8
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西村 由佳里
よく研いだ 刃のような 言の葉を 花で彩り 返してあげる
5
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ねずみ
見送れば泪のやうな硝子窓吾のかはりに泣ゐてくれるか
5
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詠み人知らず
あなたはいつも少し先を歩くから、少しだけスーツのはじっこを持つ
4
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詠み人知らず
みどり兒の視線を追へば飛ぶ鳥が 瞳に映る空澄み渡る
12
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葵の助
こんなにも白樺並木に洗われた心を箱に仕舞えぬものか
5
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詠み人知らず
風に聞く嬉しき知らせ頬緩むその日の酒はやや苦かった
3
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篠原
生きるほど 子供のままの心から 身体ばかりが 離れていくの
5
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薫智
シャワー浴び声をころして泣いていた誰に見られるわけでないのに
9
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光源氏
日が暮れて家に帰れば薄明かり一人寂しきカップヌードル
10
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新田瑛
水銀の比重になって沈み込む分離できない身体とともに
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