聴雨のお気に入りの歌一覧
秋日好
鼻の奥潮風沁みる初夏日黙し夫と波を見ている
24
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横井 信
夏草に覆われてゆく古民家にびわの木ひとつ 雨に鮮やか
18
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夢士
見え隠れ傘をかぶりて雲の影窓辺に立ちて眺む満月
20
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へし切
待ちかねてはや咲き初めし立葵うす紅色の頬つたふ雨
23
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横井 信
忘れたということだけを覚えてて何かを探す夢を見ていた
11
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KEN
ねむの木の袂に丸む老い猫の辿る夢など思ふ午後かな
14
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詠み人知らず
人思ひ紡ぐ言葉も泡立つ濁れる沼に沈む虚しさ
16
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KEN
火の神の荒ぶる後の崖に立つ孤高のけもの咲く花を待ち
19
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舞
病院のベットに母は長き夜を如何にか過ごす胸は傷むも
13
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へし切
ここかしこ垣根のいばら花咲けり仄かに香る初夏のころ
22
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横井 信
ゆっくりと迷いながらも進むとき雨降り始め香り立つ道
12
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林林
夜の道働く君をほんのりと梅のつぼみが見つめています
19
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KEN
人の戀いくら語れどたはごとと水分ける峰紅の石楠花
12
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KEN
噛む柴のかをりのほどに淡き月峰に落ちれば闇に雉鳴く
16
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恣翁
そよ風に 枝もたわわな古槐 驚きぬがに 葉を震はせり
18
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詠み人知らず
午後に鳴るユーモレスクに誘はれて檻のベットで夢貪りぬ
20
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KEN
手を取りてカナを教えし祖母の笑み思い起こして文綴る夜
2
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詠み人知らず
個性てふ幻つかみ奪らむとや 風に数多の八手くるほし
12
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へし切
お日様に暈がかかれば雨が降る微かに梅雨の足音がする
22
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横井 信
緩やかに川は曲がりて濁りゆき紫陽花に聞く梅雨の足音
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