恣翁さん
のうた一覧
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薄霜を帯びたる濡れし軌条こそ バラスの群れの上に佇め
平成二十七年十一月二十三日
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薄霜を噛みて凝りたる竜胆の 日の射すままに 瑠璃に綻ぶ
平成二十七年十一月二十二日
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置く霜に響きて 鳴ける鹿の声 山の端の月 凍てさせつらむ
平成二十七年十一月二十二日
20
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領せしかど 胡だに旧風容れぬるを イスラム国の いま如何にぞや
平成二十七年十一月二十一日
13
・・・・・ 寝園 石馬を残し ...
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「ただいま」の声に 玄関出て見れば 黒き裏見せ 吾娘の靴あり
平成二十七年十一月十八日
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右の手の人差し指と中指で 軽く交互に卓を叩けり
平成二十七年十一月十七日
12
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踏み切りに待つ人を過ぎる 闇に白き猫な魅入りそ 死の誘ひへ
平成二十七年十一月十六日
10
自殺しに吾が来かゝれば 白い猫が...
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燃えさしの燐寸の 水に消ゆる音の耳につくほど 静寂ぞ深き
平成二十七年十一月十六日
21
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傾きし陽の射し 眩き厩こそ 馬糞の臭ひ 鼻に付きけれ
平成二十七年十一月十五日
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棟瓦の 夕付く日を実に噛むごとく ガスストーブのボッと火の点く
平成二十七年十一月十四日
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左腕を上げて 時計に目を遣れば 十時を少し回りたりけり
平成二十七年十一月十三日
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黄葉を残らず落とし 患へる吾を嬲るがに 野分き吹きたり
平成二十七年十一月十一日
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数日の秋風 病夫を欺き 尽く黄...
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人気なき厨の 黒き梁を 射す白き日に 安らひ喫茶す
平成二十七年十一月十日
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生れし児の蛇ならませば 取り澄ます孕み女や 如何にならまし
平成二十七年十一月九日
12
蛇の群れを生ませたならば ・・・...
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降り初めし雨に慌てて 駈け込みし客の上着に 雨滴光れり
平成二十七年十一月八日
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ひらひらと蝶の舞ふがに オーダーを ウェイトレスの取りに来るかな
平成二十七年十一月七日
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寒山寺 遊山の約の果たされで 半夜の鐘を独り聴くかな
平成二十七年十一月五日
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楓葉蕭条として 水駅空し 離居...
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先客は 右手の爪先 カウンターを軽く叩きて 「お酒、お代はり。」
平成二十七年十一月四日
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児の父の袖を離さで 唖女 赤ん坊こそ 口ゆ産むなれ
平成二十七年十一月三日
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唖の女が 口から赤ん坊生んだゲナ...
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寝室の窓ゆ見下ろす 枯れ残る秋桜の色 目に沁むるかな
平成二十七年十一月三日
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