恣翁さん
のうた一覧
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喧騒や 遠慮がちなる 電飾を 圧して空の 夜に沈めり
平成二十三年七月一日
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掌を 返すがごとく 誼みすら 土に棄てつる 慣らひ浅まし
平成二十三年七月一日
9
手を翻せば雲となり 手を覆せば雨...
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横顔を 見せて伏眼の ゴシックの 彫刻のごと 立ちて待つ女
平成二十三年六月三十日
13
ゴシック建築の壁に彫られている...
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無機質な 抑揚のなき 看護師の 順番を呼ぶ 声響きたり
平成二十三年六月三十日
17
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池の面に 逆さに映る 黒き樹陰 夏の微風に 刹那さざめく
平成二十三年六月二十九日
13
緑樹 陰濃やかにして 夏日長し ...
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血色の 好き頬に射す 木洩れ陽に 微かな産毛 反射して見ゆ
平成二十三年六月二十八日
13
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張り切った 乳房与へて 上気せし 顔に微かに 得意げな色
平成二十三年六月二十八日
21
授乳をさせていた若い母親は、暑...
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立葵 その薄紅に 浮かびけり 盆提灯の 儚げな色
平成二十三年六月二十七日
21
ねずみさんの立葵の歌に、あわせ...
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新聞を 展げ腹這ふ 我に焦れ 無言の妻は 掃除機で追ふ
平成二十三年六月二十六日
21
帰省と妻の勤めの休日が重なった...
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鳥籠の 止り木移る 文鳥や 然も不思議げに 何を眺むる
平成二十三年六月二十四日
17
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唇を 噛み泣く女の 睫毛濡れ 肩を震はす 仕草美し
平成二十三年六月二十三日
18
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木の間より 降れる光の 描きたる 虹仄見ゆる 垂水の飛沫
平成二十三年六月二十二日
17
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長江の 碧き水面に 映ゆる陽に 現はれ来たる 一片の帆舟
平成二十三年六月二十二日
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天門中断えて 楚江開く 碧水東...
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閑居して 旧りゆく吾の 戯れ歌に 五千の拍手 ありがたきかな
平成二十三年六月二十一日
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美しき 肉体と粗野な 魂を持つ 女に如何で 恋々たるか
平成二十三年六月二十日
13
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射竦むる 女の侮蔑の 眼差しは 総身に水を 浴びせ掛けけり
平成二十三年六月十九日
14
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枕辺に 擦り寄る夢魔は 残酷に 我が快楽ぞ 笑みて眺むる
平成二十三年六月十八日
14
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浮き草に 混じりて微雨に 白き菱 眺めて日がな 訪ふ人も無し
平成二十三年六月十七日
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菱は浮萍を透す 緑錦の池 夏鶯...
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傾ける 月はいざよひ 露を置く 欄干の上の 空に残れり
平成二十三年六月十六日
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あそびくもさんの螢に寄せた恋歌...
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松風の 風情を醸す 七絃の 琴の古調ぞ 弾く人のなき
平成二十三年六月十五日
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泠々たる七絃の上 静かに松風の...
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