恣翁のお気に入りの歌一覧
翡翠
嫁ぎたる娘の部屋の暗きゆゑしばし明かりを点す秋の夜
11
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そらの珊瑚
読みさしのページに飛んだ爪のかけら今日の栞にしてしまおうか
7
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詠み人知らず
祖父と孫盤をにらんで押し黙り負けたと唸る一一の飛車
2
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つきの
君といた思い出やさし離れても忘れな草の揺れるあぜ道
15
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翡翠
朝の陽に黄金と出でし薄穂を白銀に染む霜夜望月
4
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只野ハル
気が付けば右手親指割れ始めひとり暮らしに冬の訪れ
3
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つきの
眉月は 君の笑顔と 爪痕と 僕の不安を 引っ掛けてくる
5
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由良
みっしりと雲が詰まった闇空をこじ開けるよう射し込む月光
7
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悠々
呪はれし村にあらねどふるさとの荒れ果てし田に搖れるコスモス
20
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あき
乾かない洗濯物に占拠され部屋の隅にてちいさく生きる
21
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紫苑
灰いろの水なりし子の影のごと片夕暮れに冬揺らぎ立つ
10
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つきの
ぬくもりを 伝えぬままに この冬の 白い吐息と なつてしまおう
27
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あき
エチレンがそうさせるのだ成熟もとろけて落ちたあまい腐臭も
14
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たんぽぽすずめ。
降る星を包みて撒けり朝の陽を掴む人こそ素晴らしきかな
14
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舞
手を取れば恥ずかしがりて払い避くおぼこでもなし愚か吾が妻
9
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いりみつ
若き日に 安吾手に取り 感受する 桜の樹下で 鎮魂歌を
2
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まがね
字余りと字足らずにもなる六文字の曖昧さに酔ううたを愛でつつ
7
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詠み人知らず
冬立ちて結露の窓に指先で馬鹿と書いて はなまるをする
4
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笑能子
ぱらいそは常にあなたの胸の中賢しら顔の奴らにはなく
4
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芳立
人の身に生まれたる世の寒風にあらましごととよしなしごとと
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