恣翁のお気に入りの歌一覧
風橋 平
避難所に会う子会う子の瞳にうるむ荒浜の浜昼顔が遠くで
12
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七色コイン
堂々と歌っていてね。君にしか、歌えない歌きっとあるから
26
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詠み人知らず
半身が動かなくても母の背は きりりと伸びてベッドに座る
21
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紫苑
明日葉のつよき香りに思いをりけふ在ることの確かふたしか
20
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れい
銀色のトレーに並ぶ注射器が出番待ってる内科処置室
11
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トノゴジラ
おとうとの料理の腕を見直せる母の病の功名なるかな
5
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トノゴジラ
吾の問ひに返す母の言の葉は明瞭なれど答へにならじ
4
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トノゴジラ
今はただひたすらに母の介護する父の背中に昭和が映る
6
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詠み人知らず
寝静まる部屋を雨音叩いてく記憶詰まった古都濡らす雨
6
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のんぼう
「おかあさん、全然太ってないよ!」って 頼まないのに慰められる
5
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紙魚
「好きだ」より「抱きたい」と言って漆黒の桜の森の満開の下
6
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葵の助
桜貝みたいな爪のあの子には勝てない私はピンクを重ねる
3
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横雲
墓の辺に並びて出でし土筆抜く細き雨ふり石光たり
8
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さる
春雨にしっとり濡るる母の名を刻みし墓石われに微笑む
8
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もなca
朝靄を裾になびかせそびえおる今朝の山並み黒々と見ゆ
6
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ユーカリ
いつもそう新聞配達バイクマン、ことんって音で目が覚めるから
3
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村上
朝まだき干潟に鷺の一羽ゐて父逝きし春ことしも来たれり
6
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花鳥風月
ほんの数時間前まで騒いでた祭のあとにアパートに帰る
5
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影間
酒くさき貴方のくちに眉をしかめ息も絶え絶えくちづけをして
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詠み人知らず
誕生日、十一本のローソクをフーッと一気に吹き消した君
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