恣翁のお気に入りの歌一覧
せいか
老犬は身をよじりつつ低く哭く飛べぬ不運を訝るように
4
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詠み人知らず
横臥した圧倒的な腰のライン 窪みのところ枕にしたい
3
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紫苑
しののめの仄明るみて杜若ふかき呼吸にその色を吐く
8
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紫苑
思ふまま糸杉うねる傷心のGoghを腕に囲ふがごとく
4
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詠み人知らず
追い掛ける視線の先に小振りなる 自己主張する双丘の息
5
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更紗
幸せになってと願ったはずなのに淋しいと聞きほっとしたりする
3
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もなca
月の夜蛙の聲は艷めゐて心乱るる水無月のころ
12
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佐藤晴
ただいまと告げても返る声もなく孤独とルームシェアをする夜
13
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詠み人知らず
縁日に硬貨を数枚にぎりしめ 綿菓子に並ぶ子のいとおしさ
7
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ゆうくん
水無月の 空は似ている 君の眼に 湛える夏の 夢の青さに
5
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只野ハル
見渡せば田に水張られ鷺の立ち里の景色も衣替えかな
6
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詠み人知らず
トゲトゲの緑の胡瓜出来ました はじける若さ いただきませう
9
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更紗
我が子より若かりし頃の友と会い一瞬にして少女に戻る
3
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みなみぐち
「強いね」と言われたけれど そうじゃない強いんじゃなく強くなったの
8
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ふきのとう
帰るなり待つ吾よりも友だちと遊べる孫の世界広がる
18
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やんや
電柱の足元に散る小枝から教えてもらうカチガラスの巣
3
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詠み人知らず
出来合いのボンボンショコラ一箱に叶えられない想いを託す
6
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かぐや
緑張る 田の上過ぎし 風よりも 疾く翔びつるは つばくらめかな
11
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舞
吾がうちに炎のありや逝くときに今は残滓と笑みて語れる
3
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トノゴジラ
披露の宴あまたの恩を忘れまじ語る新郎いと凛々しけり
2
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