ななかまどのお気に入りの歌一覧
滝川昌之
かつ丼で自白するのは取り調べ室だけでなく自宅居間でも
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兎桃
吾の知らぬ祖父の残せるトランクに衣を入れて旅へと連れむ
3
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美生子
にぎやかな同室患者は退院しひとり数独して過ごす夜
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仙人の弟子
暖かき 春の一日 曇り空 藤棚香り 彩を添え
5
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横井 信
草むらの小さな花は柔らかに蹴飛ばす石をやさしく包む
13
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継海
玄関の行ってらっしゃい消えた朝不思議な月曜ハナミズキ咲く
6
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笹舟
夢うつつ 寝子が微睡む草枕 醒めるは惜しき春はあけぼの
6
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茂作
蝶々のおぼつかなげに飛びにけり 寄りて離れる乙女心や
16
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舞
その昔桜咲く頃生まれ来た女に恋し別れた記憶
5
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西手心黒
牡蠣小屋を訪れてみむ宮古みち変わりゆくなか懐かしさがし
5
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ガビー
木々の肌人の姿も明らかに 春の岩戸はわずかに開く
1
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音蔵 雅秀
たんぽぽも 白き綿毛に様変わり 風乗り飛ばんや 虎視眈々と
3
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へし切
なみなみと水を張りたる放水路 のどかなるかな釣り人の見ゆ
10
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草木藍
霧雨にジャスミン匂ふ夜明け前群れ咲く白のほのかに明し
8
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恣翁
嘴に泥を含みて 忙しげに 軒を出入りせるつばくらめ
19
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仙人の弟子
雲の間に 春の日射しが 垣間見ゆ 姿見せてよ 待ち遠しいな
4
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滝川昌之
老木の藤のか細き花房を杖のごときに棚が支える
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兎桃
年取れば肩の力も抜けるらし鋸も鉋も滑らかになり
5
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うすべに
青空に一ッ葉たごの雲わいて 木の下闇にも白い花咲く
8
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横井 信
春風に若葉のそよぐ山の背を列車の窓の遠くに望む
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