高松 蓮のお気に入りの歌一覧
横井 信
まだ水の入り切らない春の田のカエルの声に月は隠れる
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ぽじ
無職にて気づいた朝日の美しさあれほどまでに憎らしかったのに
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うすべに
ほのじろくつもる花びら舞い上がる 家路をいそぐ人の足元
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ななかまど
秋桜の咲き始めたる畑中に夏の余韻のお日様の座す
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ななかまど
置いた筈はずのところがつぎつぎと時かすめとる失せ物探し
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横井 信
満月の東に昇る冷え込んだ冬の梢で百舌鳥は高なく
14
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横井 信
冷たさに一歩ためらう道草に霜の輝く休日の朝
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舞
花散ると見上げて風に蝶々の揺れてさらばと夏の青空
9
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滝川昌之
舗道にて土に帰れぬ亡骸を見過ごす度に蝉の悲しき
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灰色猫
奇跡など起こりはしない焼き場にて儚き蝉のひたむきを聞く
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横井 信
在宅の仕事を終えてヘッドホン外せばそっとスズムシの声
15
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ななかまど
余震とぞ十年過ぎて驚きぬ地球にすればほんのこの前
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ななかまど
人ひとり降ろしたあとは静かなり無人の駅に匂う山百合
24
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ななかまど
核の剣いまだ納めぬ大国の空につながる広島の空
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千葉 甫
一本の路傍の桜満開の今日は朝から音の無い雨
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沙久
天災の怖さ悲しさ歌にするまたは躊躇す人それぞれが
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へし切
お互いに遠く離れて暮らしても 孫がつなげる 親子の絆
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林林
この顔を傷つけぬよう焦げだけを落としてほしいとお鍋に云われ
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林林
三枚の布団に四人雑魚寝する狭いけれども楽しい我が家
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みやこうまし
やれやれとおもえば重き人生や まだまだと思い己を叩く
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