まぽりんのお気に入りの歌一覧
吉野 鮎
野薊の棘ある花のむらさきを雨粒の虹うつしつ零れ
12
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つゆふみ
棚の奥眠るガイガーカウンター測るのやめた つらくなるから
7
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聴雨
月の香と茶せんとほしの音のみの無といふ贅の静寂の中
5
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聴雨
朝まだきひがしの窓に雨を聞き硯の海にみずをたたへむ
9
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聴雨
雨だれの庭に咲きたるいちりんの十薬手折り花入に挿す
6
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うすべに
移り気な空を映して七色に 塔をあしらうあじさいの花
9
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青き銀椀
忘れずの涙よつねに潮騒を聞く備へあるとこしへの夏
9
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青き銀椀
ポクポクと木魚のリズムプクプクと頬ふくらませ立腹の顔
8
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青き銀椀
半ばにも来ていないですわが齢金さん銀さんいかに過ごしき
8
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滝川昌之
梅雨空に積み上げられて脱衣場に溜まる衣類を妻にらみおり
15
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つばす
陽が照りてむせ返るような散歩道 キリギリス初蝉が鳴いた朝
6
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灰色猫
海からの恵みを祀り生きてゆくすべての魚は神からの使者
20
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舞
ペガサスの飛翔の余韻北の国清し風吹く空広き街
8
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KEN
觜に とどめ突かれて 空を舞ふ 蛇のまなこに 寫る我かな
11
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リクシアナ
雪溶けて百葉箱の顔のぞく春ひそやかに廃校の庭
91
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リクシアナ
故郷は樹齢の底に横たわり摘む手なくして実桜熟れる
15
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リクシアナ
初蝉の鳴きて褪せゆく古カルテ五年の日々を結わえて清し
17
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横井 信
夏の夜の星の流れに彦星の願いをのせて結ぶ短冊
12
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横井 信
ゆっくりと青田に下りた白鷺の風を求める暑い夏の日
9
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横井 信
霧雨にやさしく揺れるアサガオの花は黙って待つ青い空
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