うたの一覧 (カテゴリー：全カテゴリー 並び替え：新着順)
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黒須牡丹
紙魚ひとつない辞書の値が百五円めでたくもありめでたくもなし
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ななし野
来年の手帳の最初に書きとめる頭文字とは別れるジンクス
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ほたる
暮れなずむ街を蠢く薄闇に引き込まれそうな危うさ刹那
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ほたる
揺るぐことなく真白きままの水仙の悲しみを見たような気がして
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浅草大将
眩しさし鳩吹く秋の山人もみ雪を深みはや影もなし
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卯月
今宵より母子同室でこれからは私は決してひとりではない
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たんぽぽすずめ。
スコップをあげたお客の里からの長芋もらい 縁とは不思議
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都季
寄せ鍋の白菜ばかりを食べていく今日の歪みをリセットしたい
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たんぽぽすずめ。
たんぽぽの綿毛が風の五線譜に弾けて歌う （君よ根を張れ）
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ななし野
ずぶずぶとヒノキ枕に沈んでく呪縛解けない脳の眠りは
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ななし野
来る者を拒まずさりとて追いもせず城の主は緑を愛して
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ななし野
美しいすみれグレーの朝もやに機首を背けて始発便発つ
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たんぽぽすずめ。
大虎の雲に夕日が逃げ惑ふように眺めて 静む心ね
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リンダ
鳩と山、大地に放つ平和とは何かと思う暮れのテレビで
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リンダ
もがけども格差社会の波がくるワーキングプアなる草食男子
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山桃
空早む紅雲分きて飛行機の耀く澪は青し青し
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浅草大将
手に汲まば目も醒が井に新たまの年のいぶきの山の真清水
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浅草大将
踏み分けてこしの彼方もゆきふれば誰もしらねに跡も残らず
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只野ハル
片付かないまま日が傾き隠すようにまた元に戻していく
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只野ハル
取り出した物達の中で記憶に沈み込んで行く自分の背中
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