さえねさん
のうた一覧
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古寺の碑に刻まるる散華地は昭和十七年珊瑚海なり
令和六年七月八日
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この星の地面がかくもあたたかいのは幾億の血を吸っているから
令和六年三月九日
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一匹の虫が命を閉じしこと夜の秋風われに告げたり
令和五年九月十四日
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朝顔の青かぎりなくひろがりて八月六日の空につながる
令和五年八月六日
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願はくはテムズのほとりに枝をなす柿の葉色の夕焼けになれ
令和五年一月三十日
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山訪へば山にあなたはいるだろう 枝の鳥にも 道の草にも
令和五年一月三十日
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かなしきは師走の通夜の斎場につもる深雪を踏みしめるとき
令和四年十二月二十九日
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滅びゆく国の大地の若菜摘む そうだ、これはシロツメクサだ
令和四年十一月二十三日
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独り野辺に煙焚きつつこの秋の雨の音こそかなしかりけり
令和四年十月十四日
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よせかえす珊瑚の海の波の音をまくらに眠れさきもりびとよ
令和四年十月三日
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昭和19年11月27日、ペリリュ...
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今もなおほのかに薫る練香のたきしめられし祖母の扇子よ
令和四年七月十八日
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われわれがみな滅んでもわれわれのことばは遺る 砂のごとくに
令和四年五月二十四日
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白といふことばひとつが残されて二一〇〇年日本語滅ぶ
令和四年五月二十四日
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死屍累々 殺めし言葉の亡骸がわれらの星を埋め尽くしたり
令和四年五月二十三日
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悪しきものをみな葬れば遺されし君に手向けの言の葉あるや
令和四年五月二十三日
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純白の罪なき國となりぬべし言の葉あまた黄泉におくれば
令和四年五月二十三日
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こんなにも空は青いのに はじめての上島竜兵のいない六月
令和四年五月二十二日
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ウクライナ兵ロシア兵にもその母のそれぞれの子らのいるべきものを
令和四年四月二十一日
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志村けん逝く日本の闇深し明けぬ夜とは思わざれども
令和二年三月三十日
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相模灘 宇佐美の海の潮風の運ぶ海砂尽きるまで泣く
令和二年三月二十五日
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