恣翁のお気に入りの歌一覧
横井 信
柔らかく芽吹く若葉は朝に降る雨の雫をやさしく弾く
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兎桃
草を引く幼馴染は白髪の混じる前髪上げて頬笑む
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トウジさん
滴る血色鮮やかに生レバーペロッと二キロドラキュラのごと
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小林道憲
雨細くせきちくの花色褪せて 行く春淋しわが庭の面
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ななかまど
心臓の悲鳴を何度も宥めつつ三角点にさわれば嬉し
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恵雪
街灯の下で雨夜の青もみじ葉先の雫ひかり清けき
7
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音蔵 雅秀
初めてのパッパッと呼ぶ声 嬉しかな 君二十二の 秋の始めに
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茂作
われのまへ打坐する乙女墨衣 法界定印 あまりに白し
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横井 信
まだ水の入り切らない春の田のカエルの声に月は隠れる
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笹舟
花滲み涙雨滴る窓硝子 わけを匂わす遠き春雷
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高松 蓮
余所んちの 小屋でしゃべくる ツバメらを 覗けば黙る 聞かせてやるかと
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兎桃
年高き親の楓の足もとに命つなぐか実生ぞ芽吹く
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草木藍
ひと手間をかけたご褒美春の香を愉しむ厨つわぶきを煮る
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Aquarius
どうしても自分自身に目を向ける引きこもってた当時の様に
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うすべに
散り藤の絨毯かすむこぬか雨 踏まぬようにと道端に寄る
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滝川昌之
永く着て愛着のある冬コート クリーニングに出す春の好日
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痴光山
啼き終えしひばり落ち来る畑の先 立夏に霞む残雪の富士
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神崎 真人
耳澄まし心靜かに過ごす日に かすかに聞こえし春の風の音
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草木藍
霧雨にジャスミン匂ふ夜明け前群れ咲く白のほのかに明し
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西手心黒
連休を指折り数えて待つ君を添えたキリンの絵にも感じて
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