笹舟のお気に入りの歌一覧
へし切
咲きみちてま白き花は匂へども人もおなじにいつか散る花
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へし切
それはそれ これはこれ でも人として浮き名たてては ならぬ恋かな
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うすべに
濃い藍に金の小舟の三日月の 浮かぶ波間にゆれる漁火
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恣翁
蝙蝠のごとく往き交ふ人影に 幾返り目か 視線を投ぐる
11
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へし切
暮れかかり窓のつれづれとふものは色づきそむる櫨のもみぢ葉
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恣翁
降り募る雨音 家を包み込み 水中に似て遠くに聞こゆ
10
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茂作
涼やかに鈴の音鳴りて小鳥らの 囀りばかり朝の禪堂
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灰色猫
夏からの文を撫でてはあたためる冷えゆく秋のこの手のひらで
9
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恣翁
青桐の上に 薄月色失せて 闇を一際濃く見すらしも
11
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ななかまど
やや鈍く朝日をはじく秋の露足に触れるを戸惑い歩く
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恣翁
雑踏の上に広ごる青空の 深く見ゆるに 秋高しとや
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松本直哉
置く露の消ぬべきものと思へどもなほなつかしき鬢のほつれ毛
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草木藍
少しずつ遅れる日の出刻々と移ろう色や朝焼けの空
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兎桃
狐花もはや彼岸も明けたるに莟は出づと今朝知らせらる
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へし切
季節すぎて咲かぬ花こそあはれなれ蕾のままに野地蔵のわき
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へし切
秋津洲やまとの国の秋はまだ夏の終わりの遠雷を聞く
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うすべに
虹色に横雲そめて昇る月 むかしのひとの歌くちずさむ
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舞
夜衣を返してぞ着る黄泉へ入り魂は恋しきひとの褥へ
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茂作
思ひ出でて障子開ければ盜人の かしら愛づてふ十五夜の月
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ななかまど
あえかなる薄紅の秋桜に秋の涼風いまだ生まれず
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