奥月汀のお気に入りの歌一覧
飛和
ルビのない旧字が歌集のあちこちで砂金のように煌めいている
13
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飛和
筆先にふくんだ墨の濃淡で白紙に咲かせてゆく夏椿
16
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飛和
特別を待つのは終わり 金縁のティーカップを飾り棚から出す
8
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詠み人知らず
紀の沖を洗ふ黒潮おおくぢら蝸牛震はす海巡る唄
5
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灰色猫
君用のマフラー編んでいるけれど季節は夏で恋は寒がり
4
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原磯絵馬
マフラーは隠す言葉になる前の口を探して駆ける叫びを
2
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詠み人知らず
マフラーを風が解きてその端を君捉まえる毛糸は黄色
3
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さえね
清浄な光が我を包みこみ危うく許されてしまいそうだ
6
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うすべに
せんべいを鹿が見つめるなつかしさ もみじの下に聞こえる英語
7
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詠み人知らず
指先の温みを君に伝えむと水面しずかに水鳥を抱く
8
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ななかまど
さみし夜は又三郎に逢いたくて野分聞きつつ夢路をたどる
14
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詠み人知らず
霜月と云うに吹く風あまやかに南海生まれの雲連れて来ぬ
10
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灰色猫
広々とあなたは文字を縫いあげる旅立つ船の白帆のように
8
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ななかまど
フォークにて巻き取るパスタ口中に一本入らずランチの宿題
12
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灰色猫
気高くて静かな獣になりましょう毛並みの色は関係ないし
7
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灰色猫
夏草の匂いを吸って満たされるもう大の字にならねばなるまい
12
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灰色猫
天体が見える鏡を買いましたあなたが星のような気がして
11
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夕桐
きみの手に踊らされてゐるやうに菊かんざしを纏ふ山肌
6
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へし切
逢いたいとこころの中に聲かける愛しい故に淋しい故に
50
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灰色猫
すみやかに迷子になってしまいましょう金木犀の香りのなかへ
10
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