シダのお気に入りの歌一覧
杜鵑草
雨音を聞かで久しくなりにけりを止まぬ蝉の時雨ならでは
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横井 信
ひと夏を力の限り鳴いていた蝉はふんわりズボンにとまる
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舞
ララらラらッまだこの世には無い歌が出で来るような晴れ五月空
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芳立
七つめの花びらなくてつみ雪はけふ春分けの日にぞ解くべき
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雨夜
淡くもゆ紫の色の菫花せはしき身にも映ろふ光よ
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雨夜
古書市の紙のあはひを游ぎゆく波打ちそよぐ魚尾の群れみつ
9
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しきしま
世の憂さを風の便りに聞くからに花やその身を捨てて散るらむ
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硝子
身にしみていまだ寒き夜あらまほしにほへる花の散るを思へば
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うすべに
ちらほらとひらくうすべに 定めなら 先に咲く花 早く散る花
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しきしま
咲けば散るものと花さへ知るよには月ばかりこそすみわたりけれ
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うすべに
猫の目に海のきらめき 坂道にわれた窓から苔むす茶碗
11
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萱斎院
ももしきのおほみやびとのあだごとと 知りつつもなほ恋ひわたりけり
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しきしま
梅の園色の千種に匂ふれば風さへ花を尋ねてぞ吹く
10
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雨夜
懷かしく香る水仙いちりんいちりん鈴なり折りふしゑまふ
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恣翁
雪の音を聞きつつ迷ふ 思ふこと 言はぬが花と弁ふべきを
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ななかまど
うるさいと自分を叱り目の覚めて夢の中にて鼾かくわれ
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茂作
遠き日を思へば夢か現かも いまある我は誰れがかねごと
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萱斎院
みやこより枯れ木にかかるもちづきの 影になみ打ちかへる横雲
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杜鵑草
あはれなる月は冬にもあるものをなに秋のみと思ひなしけむ
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萱斎院
あづさゆみいるさの山の端の月の 入るをせかすなしののめの鳥
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