恣翁さん
のうた一覧
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緑衣編む絹糸に似たる細き葉を 東風や裁ちけむ 鋏のごとく
平成二十六年三月四日
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碧玉 粧ひ成りて一樹高し 万条...
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背き合ひ 寝屋の静寂に響きたる雨音ばかり 二人して聴く
平成二十六年三月三日
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春めきし陽光浴びて 目交ひの屋根の雪から 水蒸気立つ
平成二十六年二月二十八日
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ニュースで放映された、今日の甲...
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玄関の隅に片寄せ 揃へられしブーツの熱に 艶めき覚ゆ
平成二十六年二月二十七日
23
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露溢し 婀娜めく花に対すとも 眠るべらなり 衰へぬれば
平成二十六年二月二十六日
15
萬事心を傷ましむること 目前に在...
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雪国に 春先駆けて 咲くといふ辛夷の花の雪や 解くらむ
平成二十六年二月二十五日
26
先週の木曜日から、インフルエン...
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ベッドから夜を抜け出して 窓に寄る少女 素足で空に見入れり
平成二十六年二月十九日
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「オープン」の札 戸に斜に掛かりけり 「寄っていくの」と然も問ひた気に
平成二十六年二月十八日
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肩を寄せ 雪ゆ変はりて打つ雨の音を 聴きたる土曜日の朝
平成二十六年二月十七日
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土曜日の午前中に詠んだ、老人の...
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歩みたる二人追ひ来る明月を 今宵 漏刻急かし給ふな
平成二十六年二月十四日
23
火樹 銀花合し 星橋 鉄鎖開く...
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まぐわひの情熱の果てに 光るがに 感覚の麻痺訪れぬなり
平成二十六年二月十三日
19
老人の妄想短歌(其の十九)です...
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微笑みて 恥毛の触手で 下腹部の貪欲な口に 呑み込まむとす
平成二十六年二月十二日
12
私の夢に出てくる女怪。美しく微...
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雪解けの滴の音の軒巡り 葡萄棚から終には墜ちぬ
平成二十六年二月十二日
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降る雪を 硝子に顔を近付けて 息で曇るまで見詰めたりけり
平成二十六年二月十日
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土日の雪に、恋人と二人でこんな...
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芽柳も梅も 長江渡るなり 浮草の上に 陽の煌めけば
平成二十六年二月七日
17
独り宦遊の人有り 偏に驚く 物...
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雪原を 浚ひの風の滑りては ライターの炎を幾度も消ちぬ
平成二十六年二月六日
16
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無関心を装ひ 少女は 羞じらひと思ひ上がりから 吾に外方向く
平成二十六年二月三日
18
昨日の午前、散歩の途中に美しい...
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靴下やシャツ脱ぎ捨てて 疲れから 小石のやうに眠りに落ちぬ
平成二十六年一月三十一日
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愛しさに 君漏らしける溜息や 夜の底から聞こえ来るらむ
平成二十六年一月三十日
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君に遣る何の有るかは 梅手折り せめて一枝の春を贈らむ
平成二十六年一月二十九日
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梅を折りて駅使に逢ふ 寄せて隴...
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