恣翁さん
のうた一覧
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榛の茂る片岨切り拓き 清濁分かつ眺め味はう
平成二十六年十月二十一日
10
榛は翳りて攀づ可からず 童に命...
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新築の別荘は 未だ人影も見えず 真白く森に静もる
平成二十六年十月二十日
13
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巣より出で 隈笹の上を翅鳴らし すがるの群れの威嚇するかも
平成二十六年十月十七日
15
すがるとは、地蜂(クロスズメバ...
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夜顔の今日萎るとも 日暮るれば 夜来の雨に露ぞ置くべき
平成二十六年十月十六日
12
夜顔は例え日中に萎れても日が暮...
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翅破れ 弱りし蝉を掌に乗せて 狙へる鳥から守らむ
平成二十六年十月十四日
12
病蝉 飛ぶことを得ず 我が掌中...
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海と空の間の色濃き一線に 遊子の遠く 息衝けるかな
平成二十六年十月十三日
15
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西域に 白き練絹運びゆく駱駝の鈴の ゴビが原に消ゆ
平成二十六年十月十二日
11
辺域の暮雨 雁飛ぶこと低く 芦...
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交差点を往き交ふ車に よろよろと 嬲らるるごと残り蝶飛ぶ
平成二十六年十月十一日
20
昨日の昼食時、桜田通りと新虎通...
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老眼に書く字は大に 耳遠く 声は自づと高くなりけり
平成二十六年十月十日
15
老去多悲事 非唯見二毛 眼昏...
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灯火を消すがに 来たる蛾の群れぞ 虚空なる月 実に覆ふべき
平成二十六年十月八日
15
燈前 双舞の蛾 生を厭ふこと ...
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放牧の牛は鴉の集ふがに 鷺は胡蝶の飛ぶがに見えたり
平成二十六年十月四日
18
蕞爾一廬連翠微 艸山絶頂客攀稀...
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中年と老いの境に 夢見たる虚構を現に など為らるれや
平成二十六年十月三日
13
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鳶の舞ふ秋空映す池の上に 跳ね躍りたる魚ぞ可笑しき
平成二十六年十月一日
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秋高くして 秋水に秋空を見る ...
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三男の帰りし後も そのままの寝具を 昨日片付けてけり
平成二十六年九月二十九日
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23日に三男が上京、一泊して帰...
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新月を拝み 呟く願ひ事 聞こえず 風の薄絹を吹く
平成二十六年九月二十六日
18
簾を開きて新月を見 即便ち 階...
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野分き立ち 旋風を巻きてくるくると 朽ち葉の叢の舞ひ上がるかな
平成二十六年九月二十五日
18
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黄昏の石ころだらけの山道を辿れば 寺に蝙蝠の飛ぶ
平成二十六年九月二十四日
24
山石 犖确として 行径微かなり ...
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一面の闇聳えたる枕辺に 空切る手こそ 仄見えましか
平成二十六年九月二十三日
14
「もしかすると仄見えるだろう」...
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隔たりて 銀河横たふ樹々の間に 浮きたる我は暁の月
平成二十六年九月二十二日
24
浮雲も此の山と斉しからず 山靄...
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卒塔婆の乱れ立ちたる塚囲み 鬼ども踏みつ 深き叢
平成二十六年九月二十一日
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