恣翁さん
のうた一覧
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鳥籠の 止り木移る 文鳥や 然も不思議げに 何を眺むる
平成二十三年六月二十四日
17
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浮き草に 混じりて微雨に 白き菱 眺めて日がな 訪ふ人も無し
平成二十三年六月十七日
21
菱は浮萍を透す 緑錦の池 夏鶯...
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松風の 風情を醸す 七絃の 琴の古調ぞ 弾く人のなき
平成二十三年六月十五日
22
泠々たる七絃の上 静かに松風の...
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手擦れして 輪郭すらも 模糊たりし 忘れられける 壁のレリーフ
平成二十三年六月十四日
17
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雨上がり 偸かに風の 簾を揺らし 読みかけし書を 翻したり
平成二十三年六月九日
19
青苔 地に満ちて 初めて晴れし後...
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燃ゆる火に 誘はれ来ては 落ちて逝く 蛾の羽根を焼く 臭ひ漂ふ
平成二十三年六月七日
21
ねずみさんの乱舞する蛾の歌に対...
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のっそりと 漆のごとき 黒き背を うねらせながら 牛の歩めり
平成二十三年六月六日
21
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黒柿の 扇子の骨を 一つづつ 出し入れしては 棋士の熟慮す
平成二十三年六月一日
21
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今だけを 生き切りつべし 禅房に 但だ鐘磬の 音のみぞ聞く
平成二十三年五月三十一日
21
清晨 古き寺に入れば、初日 高林...
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午睡より 目覚めし後も 追憶に 支配されたる 大脳皮質
平成二十三年五月二十九日
13
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熟れかけし 梅の季節の あても無き 空に枇杷の実 摘み尽くしけり
平成二十三年五月二十七日
21
乳鴨の池塘 水は深浅 熟梅の天...
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蝋燭の 火影は揺れて 燈心の 油を吸へる 音のみぞする
平成二十三年五月二十六日
21
未だに避難生活が続いている方々...
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詠む歌に 好みはあれど その個性 千差万別 尊重すべし
平成二十三年五月十六日
36
人それぞれに歌の好みはあるでし...
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趨勢と 折り合へぬまま 壮絶に 散りゆく姿 感に堪へざり
平成二十三年五月十六日
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時計さへ 微睡むやうな 春の午後 曳かれし船の 波止に繋がる
平成二十三年五月十一日
22
定例歌会第3回「時計」に投稿し...
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やはらかく 湯気を照らせる 射し込む陽 朝風呂の湯の 匂ひ満ちたり
平成二十三年五月九日
23
帰省しない休日は、早朝に二時間...
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黒髪に 躑躅の一枝 挿さませば 緋の簪の 燃え上がらまし
平成二十三年五月六日
22
火のごとき山榴 小山をおおう ...
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残りたる 卓布の上の 玻璃の酒 半透明な 影を震はす
平成二十三年五月四日
23
知人のご子息の結婚披露宴に出席...
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人間て すごいと思ふ あんな目に 遭っても耐へて 立ち上がるから
平成二十三年五月四日
22
金子みすずを少し意識して詠みま...
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歌舞伎町 伊達な若衆 何処行きゃる 肩で風切り あの娘の許へ
平成二十三年四月二十五日
14
五陵の年少 金市の東 銀鞍白馬...
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