さかさまぼこさん
のうた一覧
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梢にて白しと見えし山桜 地に散りしかば血の色のさす
令和二年四月十五日
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春風やいづこへ行きし馬の耳 時の彼方に消えて久しも
令和二年三月二十日
1
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犬ふぐり群れ咲く島に移りしか 星の野原を漂ふ心地す
令和二年三月二十日
4
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苦しみの涯に遇ひしか犬ふぐり 宇宙も汝れをつくり出すまで
令和二年三月二十日
1
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風邪引きの道に添ふかや犬ふぐり 踊り子草と背くらべしつつ
令和二年三月二十日
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夏遅く生まれたらしい猫の子が枯れ葉まろぶを追いかけている
令和元年十二月二日
8
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大風のたびごとに枝落としつつ桐は姿を整えてゆく
令和元年十月十六日
4
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時に紫蘇・韮・どくだみの香にまみれ外の面の草を刈る秋の昼
令和元年九月二十三日
5
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海越えし挵蝶を載せて鎮もれる荒き磯辺の浜菊の花
令和元年九月二十三日
5
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年ごとに挵蝶の抱く一つ石ブリュンヒルデが中に眠るか
令和元年九月二十三日
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蝶のうちでも一番地味で、体も小さ...
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逝きし夏の暑熱の名残り巻きをさめ槿の垣ゆ陽の色の消ゆ
令和元年九月二十三日
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槿は一日花で、朝開いた花が夕方ま...
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ペルセウスの流れ星見んと起き出でしが先づ久闊を叙すカペラや昴
令和元年八月十七日
4
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薔薇は散りグラヂオラスの咲きをれり通ひ路なる老婦人の庭
令和元年八月十七日
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島ひとつ今はパリーか満州かニセアカシヤの香に包まれぬ
令和元年五月三十一日
3
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散り敷ける桐の花踏む野辺の道香に立つ思ひ如何にかすべき
令和元年五月三十日
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散り敷ける踏み分けがたき桐の花遠き思ひ出なきにしもあらず
令和元年五月三十日
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棕櫚の木の手の形せる花房に北の島にて触るる初夏
令和元年五月二十七日
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北の島に棕櫚の花咲き一と月の夏のにぎはひ程もなく来ん
令和元年五月二十七日
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夏されば握りて愛でし棕櫚の花はるか高みとなりにけるかも
令和元年五月二十七日
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棕櫚の樹の伐られし後も花房の面影に立つ高き夏空
令和元年五月二十七日
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