さえねさん
のうた一覧
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生まれたての朝の光が快速の中をあまねくはらいきよめる
令和四年十一月二十日
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この砂にいつか小さな花が咲き実がなるまでの千年を思ふ
令和四年五月二十四日
4
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かぶの葉を湯がく刹那の火の色は原初の夜とつながっている
令和四年五月二十三日
12
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みどりごのごときかぶらの葉を落とすおのれの過去は切り離せぬも
令和四年五月二十三日
7
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だれからも求められずに一日を閉じるピエロの影ふかぶかと
令和四年五月二十二日
4
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必要とされずに今日も一日を終えし道具を持ち帰りたり
令和四年五月二十二日
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美しきジョブズの液晶そのなかにニュートンのリンゴゆるぎなくあり
令和四年四月三日
3
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セフィロトのケセドのあたりを切り裂けば光の水があふれてきたり
令和四年四月三日
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お探しの銀貨はこれじゃないですか? 地を這うユダの肩を叩いて
令和四年四月三日
2
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雪国に生まれしものを万歳におくられ南の島へ征く兄
令和四年四月三日
3
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バスに乗る時に千円握らせて祖母はずうっと手を振っていた
令和四年四月三日
3
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惜しくも採用に至らなかった人々のたましい流す川がこれです
令和二年十二月十一日
2
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またしても年暮れてゆくソラマメの栽培キット開けられぬまま
令和二年十二月十一日
4
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一曲の能舞い終えて立ち去れるごとき祖父母の人生でした
令和二年十二月十一日
8
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催馬楽を奏し終えたら殺めましょう この地に春を取り戻すため
令和二年十二月八日
4
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詠むことで生きた証を永遠に残してみせる 国 滅びても
令和二年十二月八日
5
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潮騒の下田の海の浜に出てまなこ閉じれば百年過ぎる
令和二年三月二十五日
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滅びゆくまちに生きればわがこともやがてきえゆくまぼろしならむ
令和元年六月十日
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こぼれたペンキ懸命に拭きてその後は菜の花畑のような雑巾
令和元年六月七日
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降るままに湯気となりゆく夕立を浴びつつ駆けてゆけよ 少年
令和元年六月六日
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