工藤吉生さん
のうた一覧
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用のない者は中へと入れない門の向こうがオレの母校だ
平成二十六年十一月十四日
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窓の外を見ている時は硝子見ず硝子を見ている時は外見ず
平成二十六年十一月十四日
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金属をもろに叩いた鐘が鳴り広場も人もひと飲みにした
平成二十六年十一月九日
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ひたいからあごへてのひら降りるとき猫の居る場所もっとも涼しい
平成二十六年十一月九日
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脇役のようにたたずむ 地下鉄のホームの隅で咳をしながら
平成二十六年十一月九日
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プリンセスプリンセスのことを略すときンセスンセスという裏世界
平成二十六年十一月九日
1
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はらはらと舞い降りてきた蚊が腹に止まってオレはオレの腹打つ
平成二十六年十一月九日
1
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問題は手をつけられず立っていて逃れつつ見る隠れつつ見る
平成二十六年十一月七日
2
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アパートの扉に鍵をかけている女性をオレが電車から見た
平成二十六年十一月七日
1
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爆破する音のテレビを物言わぬ男見ているその上に夜
平成二十六年十一月七日
1
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クリームの陽の当たる街ここに住む誰もが泣いたことのある人
平成二十六年十一月七日
2
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仙台市文学館の入り口の文学的な木や川や岩
平成二十六年十一月七日
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子供にはちょうど良さげな枝だなあ 構えてもよしつついてもグー
平成二十六年十月二十八日
2
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匙なんぞ使わず直に飲み干してなんぼのものだ煮え湯というのは
平成二十六年十月二十八日
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これほどの歯痛に耐えているオレに世界はいやらしいほどしずか
平成二十六年十月二十八日
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なんらかの規則によって歯痛には強弱があり現在は中
平成二十六年十月二十八日
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仕方なく電話入れれば診療は二日後となり二日を痛む
平成二十六年十月二十八日
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歯が痛みはじめたことで生活のまんなか黒いものがひろがる
平成二十六年九月十七日
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ばらばらなブラスバンドの練習のそのばらばらに聞き入って春
平成二十六年九月十七日
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海と聞き思い出される方じゃない海を見ているオレに似たひと
平成二十六年九月十七日
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