工藤吉生さん
のうた一覧
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いつもなら行かない道にでくわしたペットボトルに水満ちている
平成三十年二月二十日
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あすなろは何の名前か第一にいま目の前のクリーニング屋
平成三十年二月十八日
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両替機で五百円玉が千円になる夢を見た正夢になれ
平成三十年二月十五日
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死にたくて飛びこんだ海で全身を包むみたいに今日を終わらす
平成三十年二月十三日
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目を閉じて夜の電車に乗っているできれば耳も脳も閉じたい
平成三十年二月九日
5
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他人への刃がクシャミしたせいで自分の胸に、ほら刺さってる
平成三十年二月七日
5
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ドブに捨てるようなものだと冗談に聞こえるように言って千円
平成三十年二月一日
2
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まったくの時間の無駄と知っていてなお口喧嘩必殺の法
平成三十年一月三十日
2
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田舎芝居「平謝り」を披露してそのブザマさにより許される
平成三十年一月二十八日
3
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あたためたはずのパスタが冷たいのも自分のせいと知るべきだった
平成三十年一月二十七日
4
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おそろしい形相をした歳月がうしろからくる 前からも来た
平成三十年一月二十一日
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「呪われたみたいに肩がこってる」と言ったオレだがなぜわかるのか
平成三十年一月十七日
2
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うしろまえ逆に着ていたTシャツがしばし生きづらかった原因
平成三十年一月十五日
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電柱を登ってゆける足がかりとても届かぬ位置より生える
平成三十年一月十三日
5
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パトカーが一台混ざりぼくたちはなんにもしてませんの二車線
平成三十年一月十日
5
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悪口を言われてる気がすることを自己紹介の途中に言った
平成三十年一月八日
4
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十七の春に自分の一生に嫌気がさして二十年経つ
平成三十年一月五日
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休日の朝七時から一日をなぜだかあきらめてしまうんだ
平成三十年一月三日
8
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「品性がない」と聞こえて自動的に首からグンと振り向いていた
平成二十九年十二月三十日
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たこあしのように出口のある駅の未知のいっぽん近道だった
平成二十九年十二月二十七日
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