岩崎純一(純星)さん
のうた一覧
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梅が香の軒より袖に続きつつ夢まで霞む春の夜の空
平成二十三年九月十一日
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岸かをるこなたかなたの梢より河面に花は移りかひつつ
平成二十三年九月十一日
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空あふぐ巌の色をかすめつつ入江の底を磨く月影
平成二十三年九月十日
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うちはらふ袂のほかは色冷えてひとつににほふ雪の湖
平成二十三年九月十日
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こきまぜし春のにほひを脱ぎそめてひとへに惜しな花の袂は
平成二十三年九月十日
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眺めずはあはれになびく袖なきを幾夜の露ににほふ月影
平成二十三年九月十日
3
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雪おもる路のゆくてを砕くとも白き果たてに空は閉ぢつつ
平成二十三年九月十日
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わが恋は春の梢の霞みつつ散りても花の風の山越え
平成二十三年九月九日
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白露に待つ夜のなかの月過ぎて氷にうつる遠き色人
平成二十三年九月九日
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あはれ冬はみそかにあけし窓のうちによべの枕をしたふ白雪
平成二十三年九月九日
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細き音も聞こえぬ雨の夕暮に霞を染めてにほふ花笠
平成二十三年九月九日
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草の上につらぬきとめぬ白玉や緑に落ゆる露の月影
平成二十三年九月九日
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あかつきの風はもゆらに耀ひて白き玉散る庭の初雪
平成二十三年九月八日
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夢にだに渡らんと思ふ橋姫の傘もあへなき袖の下陰
平成二十三年九月八日
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衣籠めに心の瑕を流さなんのちも頼まぬ恋の盥に
平成二十三年九月八日
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桶のうちにかたみの涙うち巡り湯浴みのほかに紛ふひまなし
平成二十三年九月八日
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一皿の恋の割れてや散りし水みづから掬ぶ頼みだになし
平成二十三年九月八日
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かけあへぬ頼みの恋も身も細りさらに通はぬ夜半の箸々
平成二十三年九月七日
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はかなしなひとりかきやる手末は重ねてかかる紙遣ひして
平成二十三年九月七日
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逢ふことは硯のかたき闇の色思ふ心を摩るとばかりに
平成二十三年九月七日
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