半格斎のお気に入りの歌一覧
武蔵野
庭に出て 風冷たしと 思えども のらぼう菜待つ 春の温もり
12
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葛城
ひた走る車輪の音も身の搖れも眠氣を誘ふ春日向かな
12
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名鈴
大鳥に 綱の絆は 掛けられじ 空舞ひてこそ 翼輝け
11
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KEN
鷺一羽 澪濁さずに 泥土に立ち 雪とおごらむ 花とおごらむ
10
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葛城
枯葉つむ庭木の根方の草引けば噎せるばかりの青臭さ満つ
12
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うすべに
切り株に細枝のばしてうすべにの 花の色香の梅のいとしさ
10
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葛城
原に摘む若草を茹で仕立てたる刀自の菜飯のほろ苦きかな
16
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ななかまど
やわらかき苦味かかえて蕗の薹春はまっすぐ母の忌近し
12
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へし切
古るびたる 雛遊びのひな飾り 過ぎにしかたの恋しきものを
17
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艸介
蟠る思考に刺激が欲しくッて グッと呷ったソーダ一缶
5
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名鈴
我が庵だに 君が心を 慰むる 春となりたし 片時とても
11
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恣翁
訪ね来る客の無ければ 終日 雨を聞きつつ 無聊託ちぬ
13
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KEN
瀬の洗ふ 白き石かな 今朝の月 雪に変はれぬ 雨流る後
11
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蔓葵
春の戸をあけしばかりにほのぼのと風に知られて匂ふ梅が枝
15
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葛城
暮れ遲く明け早くなる春の日の 躊躇ひ移る時長閑なり
15
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名鈴
この髪も この身も君の ものなれば 解くも括るも 御心のまま
13
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桃山
風邪気味と言いつついでゆく夫の背に詫びて今夜のメニュー熟慮す
12
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洩矢転石
二回目の緊急事態宣言を言い訳にして別れを決める
4
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城島ぷらこ
早口で得意分野を説く君の声にこのまま溶けていきたい
8
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草木藍
立ち枯れのすすきの根元ふと見れば青き葉ありて春を知らせる
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