詠み人知らずのお気に入りの歌一覧
山崎ふゆ彦
外つ国の土に埋められ審判を待つ者たちにも春は巡りぬ
11
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秋日好
コトコトと鍋に揺られて数分間きみの心の在り処も定まり
24
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秋日好
奥様に恋路塞がれ泣く女の声もうつろに愛は悲しい
26
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恣翁
網に跳ぬる魚に 光の輝ひて 雨の上がりし枝に青梅
15
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恣翁
潮含む風は 黄に染む麦の上の 真白き蝶を 物憂く嬲る
14
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恣翁
木立ち深く 宵月の影を 香魚こそ 挿頭のごとく走りたりけれ
11
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恣翁
他人事のごとく 野に咲く野茨に 我が葬列を想像したり
16
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恣翁
黄に染まる麦 忙しげに刈る老を 傍に扶くる童愛しも
16
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恣翁
こぼれ雨 蓮の葉に似て 骨に張る油紙に バラバラ音を立てたり
17
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恣翁
山陰に 生ひ茂りたる根笹分け 角ぐむ蘆に 石楠花覗く
19
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恣翁
他人の非を論ふ母れ 自らの潔くあれこそ 益荒男たらめ
22
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恣翁
蒼き月に濡れたる靄を 纏ひたる松 海松冠り 這ふ蟹のごとし
15
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恣翁
残雪や 漢の精の一しづく(悠々) 束の間愛でむ 涸れぬべければ(恣翁)
19
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恣翁
露深く 草色に染まる靴先に 青芒こそ 影を沁むらし
19
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恣翁
張り切れる トマトの膚に 歯立つれば 赤き雫の滴りにけり
22
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恣翁
読み返す 妻の便りの短くて 「早く帰れ」と 書かれたるのみ
31
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恣翁
湾を抱く 連なる峰は 襯衣の襟 止むる釦ぞ リオ港なるらむ
19
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恣翁
賽銭の 青く錆びたる五円玉 散りぬる 円き木の葉に似けり
21
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恣翁
パラソルを 左の脇に挟みつつ 地図の番地を 女は確かめき
20
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恣翁
欄に凭り 目交ひを降る雨に 独り聞きけり 山鶉鳴くを
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