KENのお気に入りの歌一覧
横井 信
役割りを終えた工具はひっそりと冷たい雨に濡れる裏山
11
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夢士
松過ぎて二人の夕餉皿二つテレビの音のやけに大きく
12
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夢士
残り酒空けて夜歩き初霞点滅信号ぼやけて見ゆる
12
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名鈴
大地は 常しへならむ 伝言は 誤りならむ 里はよも消えじ
11
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滝川昌之
疼くのは古傷でなく季節(いま)の傷 指先割れて寒染みる傷
17
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滝川昌之
大山を鳴動させるネズミらは浦安にあるリゾートに棲む
19
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夏深
気がかりな放射線状の雲の間に白き下弦の月の静けさ
7
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桔梗鈴
朝霧の八重に覆ふる藤衣さきてこぼるる我が泪かな
6
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横井 信
まだ僕は刈田の中で見上げてる朝陽に染まる遠い雪山
18
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夢士
今ここで「落としましたよ」と恥ずかし気小走りで去る少女に感謝
11
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夢士
とんとんと肩たたく手に振り向けば「落としましたよ」と皮の手袋
9
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滝川昌之
凍て星のごとく冷たき街灯のLEDは無慈悲に白く
21
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夢士
盃に屠蘇酌み分けて祝い酒残す伝統孫に伝えむ
12
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コタロー
冬の日を幼稚園兒ははしやいでるバイクで走る國道沿ひで
5
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コタロー
樣々な美聲聞ゆる樹々間に色鮮やかな冬鳥踊る
7
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コタロー
青空のヘリコプターに構はずに鳥は飛んでく隊列なして
5
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灰色猫
灰猫はゆるりゆるりと丸まりて毛布のなかで春を夢見る
24
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横井 信
真夜中に子供の語る将来を抱えてねむる冬のひと時
15
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名鈴
朝まだき 暗く冷えいる 小正月 邪気を払はむ 小豆粥召せ
15
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横井 信
皆が踏み固められてく道を行く 花のすぐ脇 残る足跡
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