羽のお気に入りの歌一覧
田中ましろ
病室で母は笑った 雨が降りはじめたなんて言えそうもない
11
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鷹雪
靴底に残った浜辺をなでてみる つなげなかった指の代わりに
19
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芳立
ひと枚も写さざりけり眼に耳にさはぐ真夏の九十九里浜
10
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やねうらねこ
勢ひで云つてしまつた言葉たちささめく小道を足早に過ぐ
7
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ちりピ
夏になる直前の風 君のいる景色に間に合うように駆け出す
5
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紫苑
海の面と飛びゆく雲の逢ふところ夜のまらうど身を起こすらし
19
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芳立
たかがわれひとりの指に動かざる国のためにぞ一票を刺す
13
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キヨム
今日もまたジャングル・ジムのてっぺんでサン・テグジュペリが戦争へ行く
10
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芳立
われもまたひとり去る日が来るなんて思はなかつたライ麦畑
5
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ゆびきゅ
肋骨と横隔膜と背筋と喉にぶつかる 恋する心臓
23
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詠み人知らず
全力で少女だったあの頃を 懐かしむよに我が子を見ている
9
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螢子
便り無きは元気な証拠たとえそれが恋の終わりであったとしても
14
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浅草大将
しほの間の水底ひかるこの真珠のこる貝こそなみの間の星
18
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やねうらねこ
海岸のひかりの帯に傾いたクレーンが梅雨の雲を持ち上ぐ
14
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卯月
スニーカーが必要なのだ少年がこれから夏を始める儀式
6
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ゆびきゅ
黒髪が記憶のなかで揺れている かすんだ あれは風の強い日
24
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ムラサキセロリ
いつ彼にぶつかってもいいように咥えて走るパンはまっさら
11
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水島寒月
菜の花の咲き盛りゐるただ中にほほ笑む君をそつと置くべし
14
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林ユキ
あをあをと透きとほるまで濡れてゆけとうに壊れた傘を投げ棄て
20
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只野ハル
雨上がり湿度の海に沈み込む床に貼りつく貝のようだね
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