備前 大輔のお気に入りの歌一覧
恣翁
側溝に 油膜の虹を浮かべたる 陰気な街を彷徨ひしかな
40
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もぢずり
階段を駆け上がりたる永別の子の後ろ影駅の光に
9
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恣翁
出稼ぎの家々なるか 戸を閉ぢて 水仙の庭に鶏鳴くばかり
60
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紫苑
抗議するすべなかりきと告る文をひらく窓辺に夜は黙しぬ
11
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恣翁
指にて 傷探りたき出来心 想ひ叶はで 昨夜も疼きぬ
31
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浅草大将
耐えかねて暗きに燈すあかりさへ春の愁ひの他にだになし
5
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恣翁
南向く店の空気に 硝子張り 曇るも覗く棕櫚竹の鉢
20
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紫苑
草蔭にかくるるやうに立ち尽くす黒きあふひのほのかな悪意
11
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紫苑
途切れたる会話におとす目のさきに盆の朱いろのわづかに深む
10
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紫苑
血のにじむ夕焼けのいろ褪するとき世にひとときの死の満ちをりぬ
9
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日向猫
そこらじゅう探さなくても春だらけ 珊瑚樹の葉も真っ赤に燃えて
26
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詠伝
父の持ち帰りし音の象形とは四肢失いたる男のトルソ
6
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紫苑
鏡なす水面にかほを背けつつ群れより離るか側湾の蝶
6
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紫苑
うつせみのひとよを刻む墓碑銘のかするる文字に花ふりやまず
24
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ほの香
五分咲きを慈しむ雨詠むうたを待たず開かむ染井のさくら
16
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恣翁
海中の難破船のごと 蒼褪めし空に 沈めるパンテオンかな
21
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芳立
百夜千夜きしのこころのかがり火も君が川面になどか映えざる
5
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恣翁
掌に 乳房の重みを量るがに 馬酔木の白き花房を載す
31
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紫草
念仏は空にとけこみ地に降りて摩崖石仏雨の匂いす
15
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芳立
もろ里にひかり斉しき春されば花の咲かぬも色とこそ知れ
6
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