ぜんまい時計のお気に入りの歌一覧
滝川昌之
おふくろと分けてと妻に手渡せば仏壇にサクランボの小皿
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痴光山
沼端に翡翠待ちてタブレット見るひと、カメラの並ぶ新緑
4
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ななかまど
過ちを発酵させてはいけないよつまずいたって明日があるよ
13
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へし切
庭の樹を嫌って伐るんじゃないんだよ命を惜しむに人も木もなし
9
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舞
玉杯に花飲み干せば青葉へと時ゆく無情初つ夏の風
5
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舞
秘めてある恋文朽ちて時折に揺らぎ立ち来るひとつ言霊
7
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茂作
花惜しむ心や未だ捨てざりき 聲のみ聞こゆ夏のうぐひす
13
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さいおん
白玉 緒貫依 吾玉 千遍縛 後逢
6
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敦希
神楽舞へ 衣裳與り狼狽へる 御子に捧げし舞まだ拙く
6
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うすべに
あじさいのつぼみを濡らすはしりあめ 湧いたみどりに音もかろやか
11
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痴光山
駅階段下りは注意の吾をかすめ 一段抜きの 春風の子ら
5
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滝川昌之
ソーダ水越しに観ている初夏の海グラスの縁取り溶けて蒼だけ
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ななかまど
濁りゆく水の流るる用水路夏くる色を作る田植え機
15
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へし切
天国の妻に母にと「ありがとう」こころに叫ぶ今日は母の日
13
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舞
鼓草 ダンデライオン たんぽぽの 黄の一輪が道隅に咲く
6
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茂作
一枝は母の遺影にかざし來ぬ 今年も屆く花カーネーション
13
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さいおん
春深 共漕往家 片山之 吉尾川路者 弥毛楽毛
10
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うすべに
皐月闇 思いがけない訪問者 羽音ひそやか屋根を越えゆく
7
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ななかまど
一株の牡丹のための遠回り赤き誘惑島津紅咲く
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滝川昌之
悦に入り節を回して鶯は恋の季節のフィナーレ演ず
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