詠み人知らずのお気に入りの歌一覧
恣翁
花魁の歌舞秀づるも 行く末は 廓の外に塚累々たり
24
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恣翁
霜融けて 日脚延ぶるに 春草の萌えて 積む雪半ば消えたり
31
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恣翁
底冷えの 春まだ浅き高殿ゆ 望む暮景の愁ひ知るかは
29
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恣翁
春てふに 水面に波紋描きたる冷雨 釣り手の蓑に沁み入る
20
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恣翁
読まむとて 机に積みし文献も 今日は眠気を唯誘ふのみ
49
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恣翁
君思ふ言葉呑みたる吾に替はり 涙の如く燭蝋垂らす
33
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恣翁
目上ぐれば 冷たき雲の垂れ込めて 春の薄日ぞ 暮れかかりける
31
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恣翁
春風は 愛しき人にあらざるに 慰めむがに 孤閨に入れり
29
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恣翁
流れ踏み日影乱して 鵲の声に 童子の顔を出しけり
26
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恣翁
縫ふ手止め 額に眼鏡押し上げて 何の用かと目を遣る老女
31
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恣翁
胡人吹く櫓の笛の響くごと 一夜の風に梅花散り飛ぶ
21
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恣翁
扉の前で 君の嗚咽を聞きつれば 其の儘 廊下に立ち尽くしけり
35
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恣翁
万物を蘇らする糠雨に 争ひ出づる庭の雑草
39
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恣翁
春浅き東風に 柳の揺れたるを見で 流離の疾きを厭へり
29
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恣翁
両の手を 頭の後ろに組みながら 顰めっ面で歩き回れり
26
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恣翁
閑林に 斧の響きを谺させ 得たる薪を酒に換へてむ
41
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恣翁
熱狂と青き驕りに酔ひ痴れて 情熱をもて堕ちてみまほし
30
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恣翁
酩酊し 帰る路すら危ふきに 神酒を献じて月添はしめむ
22
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恣翁
浮かれ女の艶めく脂粉に 我が君の魅せられぬがに見張りてしがな
20
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恣翁
上巳迫り 河津桜の綻びて 風寒けれど春近付けり
30
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