絮谷新のお気に入りの歌一覧
灰色猫
悠久の老木の前ぼくたちはきわめて儚い刹那に恋する
20
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灰色猫
人類が滅んだ後も探索をやめることなきボイジャー1号
25
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灰色猫
本当に難産だねと蕾もつソメイヨシノを徹夜でさする
22
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灰色猫
倫理学的に正しいかどうか分からないエッフェル塔と結婚します
16
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ラベンダー
今はもう 生きてるかさえ 分からぬが 縁なき父の 誕生日です
18
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藤久崇
如月の 露は桜を 斎ければ 花の咲くまで 天のまにまに
15
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藤久崇
土の香も 湧き立つ露の 注ぎては 今に桜は 匂い咲かまし
17
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ともゆき
鶴見川 ポンポン船の音すれば 仕事手休め 惚けて眺む
16
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ラベンダー
わだかまり 親に対して 消えぬれど 振り回されず 自分を生きる
17
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舞
春一の風に朽ちゆく寒椿踏みしだかれて如月の朝
13
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まあさ
幾重にも 重なる雲へ 目を凝らし 隙間の青を 探したい朝
24
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inosann
とりまきに気の合う者を置く上司ときに怒りを平にぶつける
16
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松本直哉
歳晩の厨に出汁の香のみちて慈姑の煮ゆるときのしづけさ
9
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千映
ショートスティ出掛ける母の額には春のふわふわ雪の舞い散る
12
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桜枝巧
さよならを集めたからです小夜中に黒々揺れる金魚のしっぽ
7
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桜枝巧
次の風を待ちわびているTシャツは白 ハンガーを抜け出せ空へ
9
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桜枝巧
街を練り上げる人らの行進をレンズに映す自販機の朝
9
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桜枝巧
消えかけた「テナント募集」のゴシックは角ばっていて妙に短気だ
12
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藤久崇
田の神の 座とう桜の 咲くほどに 世を鋤く若き 人も立ちなむ
15
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まあさ
一通り朝の家事終え珈琲の香りに救いを求める ひとり
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