絮谷新のお気に入りの歌一覧
詠み人知らず
凍てるがに 觸れし汝の手の冷え入るに 温めたらむと懷入れにき
13
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へし切
老いぬれば心は若くあれぞかし恋に恋ひして人に恋ひして
27
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松本直哉
住之江のまつ甲斐のなきひとさへも待たるるここちする侘寝かな
7
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灰色猫
引力と数学者とが恋をして弧を描きたるバスケットボール
11
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灰色猫
徐ろに狐面剥ぐきみの手を掴んではだく牡丹の浴衣
15
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灰色猫
陽炎はゆらゆら燃ゆる雨雲を求めて空へ手を伸ばすごと
18
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灰色猫
口づけで恋の盟約するような楽園に降る夕立と樹々
19
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灰色猫
流派など問われましても師は持たずただ言うなれば山に学べり
26
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千映
君に愛ぶつけてみます思いきり探求したい人間の愛
11
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千映
父様よ 好きな大福お赤飯たまには食むのか黄泉の国でも
15
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千映
裾模様さくらの花の咲き乱れほろえば掌溢れるほどに
15
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石川順一
水流で葉裏の黒い虫を取る葉裏の黒い虫はたじろぎ
13
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千映
平均の寿命を当座の目標に向かって生きる古希の吾かな
19
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夕夏
うたかたのゆめつづるらむときのはざまにまたたきひかるほしのよに
8
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inosann
客先の重なる拒絶に心中でドミノの牌が大きく揺らぐ
20
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松本直哉
なごり雪消えなば摘まむ君がためリナリアの花アネモネの花
15
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舞
寒椿朽だす雨降る如月の優しく濡らせ春待つひとを
15
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万陽
「痛たたたっ」と 顔をしかめて 足見れば積み木の迷子 主張した朝
16
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まあさ
鳥たちは 何を語らう にび色の 雲を抱えた 朝の中で
21
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inosann
毎日の静かな時を感じつつ生きる命のうしろめたさよ
20
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