詠み人知らずのお気に入りの歌一覧
恣翁
何時ならむや 先祖の墓参の適ふ日は 郷里振り返り 声呑みて泣く
21
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恣翁
一群の鴎 忙しく飛び立ちて 鋭き声で貪り鳴けり
18
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恣翁
鳥啼けば 月は杏の花陰に 沈みにけむか 夜の明け遣らで
20
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恣翁
春空に 幽かに白き爪の痕 蝙蝠舞へる路の上の月
20
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恣翁
鎖がれて 籠に囀る頬白の 自在に 森に啼くに如けやも
16
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恣翁
種多き故 好き後家てふ紫蘭こそ 死人の指と 乙女呼びけれ
16
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恣翁
若き日に 君と遊びし蹤逐へば 入相の鐘 雨に響けり
22
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恣翁
妄想は 満腹知らぬ胃のごとく 更なる刺激 求めて止まず
19
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恣翁
玉杯に湛へて 旨き越の美酒 酔ひて 何処の竹葉か忘れむ
16
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恣翁
少年の精神は 未だ熟せずて 得つる雄々しき翼に酔へり
14
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恣翁
旅先の文 読まずとも安らぎぬ 表書の 君の筆跡見れば
31
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恣翁
花見むと賑はふ宮も 散りぬれば 番ひの鶯 呼び交はすのみ
10
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恣翁
咲く花は手折らで 生命愛しむべし 青春の日々 直ぐ去りぬれば
33
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恣翁
津波去り 廃墟の夜は 水底に 眠れる森のしじまに 似けり
33
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恣翁
陽傾き 酒亭に望む東山 入相の鐘 雨花に響けり
24
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恣翁
点々と 薄汚したる水の面の 一片を追ひ 歩調速まりぬ
14
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恣翁
一年の経てば 春花は開けども 百歳まで生きねば 今日しぞ酔はむ
15
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恣翁
梨の木の下に 手鞠をつく少女 顔映えて 花開くなり
18
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恣翁
酣の桜は 天を傾けて 募る雨から 花筏かも
18
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恣翁
はらはらと 散りゆく花は 身を投げし 真間の手児奈を 思ひ出さしむ
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