ぜんまい時計のお気に入りの歌一覧
舞
薄暗い酒場の隅に酒すする折れた翼の男らの背
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へし切
青信号 わずかな日陰を選りて待つ 温む風さへ 恋ひしき酷暑
15
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ななかまど
遠山に湧き上がる雲にぎやかでそうかそうかと聞いている夏
13
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滝川昌之
人生の答え合わせをするように子のアルバムを妻がめくれば
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ななかまど
日常と非日常に橋かけて尻屋の岬に追う寒立馬
12
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滝川昌之
虫かごの餌のスイカの腐敗臭 主は朝寝の夏真っ盛り
14
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茂作
雄叫びを殘して過ぎるリニアカー 携帶構へて待つ人笑ふ
10
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舞
夏休み部活帰りの子どもらの もて余す明日 笑顔日に焼け
5
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恣翁
古びたる ひがしの茶屋の代赭色 紅柄格子に秘めし火遊び
13
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へし切
つきなみに 年に一度のうな重を ひとり食らうか コンビニ弁当
11
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舞
酔い哭きて詠う幾くつか わが腹に まだ男の子なり 仕舞いてぞ寝る
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茂作
澁滯の道の踏切不意に鳴り 快速電車夏かき分ける
15
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ななかまど
背を照らす西日が金の矢になりて鍬の柄刺さるわが影案山子
14
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滝川昌之
朝焼けが暗示したのは通り雨 過ぎれば舗道に陽炎の立つ
13
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ななかまど
飛んで良し這ってまた良し兜虫はねのヒカリに遠きあくがれ
13
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滝川昌之
ブラウスはしおからとんぼの空の色 園児スイスイ園庭駆ける
15
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茂作
諏訪の湖出雲の神の祀られて 柱立てるや遠き末ずえ
13
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舞
北の地に 住まうアイヌの神たちの ユーカラの音 雨のサッポロ
5
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へし切
季節なれど苦熱にあるか 照れる陽の 吾が身ふるれば身は堪ふまじ
10
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茂作
旅先の夫婦食堂懷かしき 昭和のスター・サイン飾れり
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