恣翁のお気に入りの歌一覧
車男
「危ない」と日に五度は言う介護士に脳性麻痺はしるく強張る
16
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聴雨
しあわせの種をひと粒くれるやうに今朝いちりんの連翹咲けり
18
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横雲
春めける眩しき風の川の辺にそこここ青く若草の萌ゆ
12
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紫苑
脂粉の香きみに移さじ午後の陽に傾くまでの倫を保ちつ
7
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葵の助
眉を描き口紅を塗る毎朝の儀式で今日も決意をバシッと
2
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木綿
遠距離と思っていたけど今ならば時差がないなら近いと思う
2
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木綿
吐きたくて屈めば背に当てられる母の小さな手を思い出す
4
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栞
雪の舞う如月にきみが待ち望む春届けたくそら豆茹でる
3
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河のほとり
暗き世を谷の底にし嘆けれど忘れぬ春を風にこそ知れ
12
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芳立
球児らの夢をかなへた程久保の女子マネに聞く為替介入
8
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栞
おめでとうきみが重ねた年の数灯すろうそく甘い祝福
3
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横雲
雪残る池に友呼ぶ翡翠の光れる影や春近付きぬ
7
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紫草
如月樹樹の呼吸の日々増して 大気微かに緑をふくむ
12
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詠み人知らず
いよかんにスナップえんどう並びいる八百屋にも早や春のきている
14
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むぎたうろす
草花の名前を知らない僕の目にとなりの家の庭の紅い実
12
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紫苑
撃たば撃てアデュルテールの称号を熱きシャワーに残滓ながしつ
7
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笑能子
愛でるのも貶すも同じ人なれば心の底のただ深きかな
6
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いちにのパッパ
代休のパパがいること知っていて君の元気なピンポンが鳴る
3
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あひる
やはらかに蕾ふくらみ木蓮は温き風吹く街路に連なる
6
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あひる
頂きに沈む夕日のとどまりて富士の稜線今しきはだつ
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