半格斎のお気に入りの歌一覧
灰色猫
老いるとは悠々あること光ること誰にも恥じぬ背中を持つこと
30
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詠み人知らず
湧水ゆ 掬びし水の冷たきに 常しなえなる流れ感じぬ
12
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ふじこ
秋霜の軒に連なる菜の簾 津軽の風にやがて馴染まん
21
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ふじこ
歌は風 文字の羅列は掴めなく 気づいた人の胸に留まる
18
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大野 冨士子
数日で大気が少し濃くなって 薪の備蓄を 急かされている
37
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月虹
微睡みの向こうで君を待っている目覚めよ秋がやって来るから
63
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inosann
水の引くノアの箱舟おもわせる小鳥のさえずり朝陽うけ聞く
26
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裕月
気がつけば台風一過の青空にアルプスの峰雪化粧して
7
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千映
豚汁に人参なくて落款のなき書に似てる我が家の夕餉
16
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へし切
夏の日に陰に涼みしははそ原 秋はもみじに色づきにける
25
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鰹鯨
晩酌に箸は一膳あぐらしてまつ牡蠣と煮る椎茸の色
12
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四季あきら
卓上に短くなりし鉛筆を 拾ひて削りまた使ひけり
8
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祈り花
思ひ出を纏へる妻の微笑みに時は靜かに過去へと戻る
14
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内藤芽亞
文法や切れ字なんかの使い方知らないけれど今日も詠うよ
10
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内藤芽亞
古本の五十二ページにに挟まれた押し花に残る想い出の香
9
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灰色猫
朱に染まる枯れ葉の道が美しくヴァージンロードを歩むかのよう
19
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滝川昌之
キビタキが盲導鈴(盲動鈴)となる駅で山では自由に鳴けと労う
21
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詠み人知らず
二学期に見て気づいたのあなたの目艶と光って処女ではないと
7
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紅孔雀
黄昏のすすきの原に茜さし 季の移ろいの早き身に沁む
6
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灰色猫
心得よ刃の重みは死の重み抜けば命を託したと知れ
18
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