ななかまどのお気に入りの歌一覧
村木美月
花びらのやうにすり拔け微笑ふひと柔らかき棘われに殘して
14
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横井 信
川越しに遠くに霞む病棟を染める朝陽を今日も見ている
11
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灰色猫
シルバーの無骨な指輪はめたまま優しく豆腐を切り分ける君
12
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秋日好
挨拶をこのまま一生しないかと暗澹とする秋の旱魃
10
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滝川昌之
元年を含めてすべて一並び今年は一本多いポッキー
11
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滝川昌之
筆と成りキセルと成って生き生きと噺家の手に踊る扇子よ
21
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秋日好
ドからミに届く指先持つ君は観念してほら皇帝弾いて
13
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滝川昌之
秘密基地 空き地の土管で見た夕陽 頬染める友 永遠(とわ)とした頃
20
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恣翁
夕闇に 芒の花の 仄白く光る今宵は 十三夜かも
15
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コタロー
完熟のたわわに實る柿を喰ふメジロの番ひ小さく鳴くなり
11
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コタロー
何處までも廣き青空誰のもの獨り占めしてシーツを干しぬ
7
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コタロー
早朝の農婦默々草取りす農夫夕暮れ鍬打ち止めず
6
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名鈴
飛蝗追ふ 喰はるるためか 喰ふためか 憑かれたごとく 砂海に惑う
7
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横井 信
ふと沁みる治りかけてた傷口にそっと触れてく秋の夕暮れ
15
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コタロー
蜘蛛の圍でじつと動かぬ女郎蜘蛛孤獨と饑ゑに必死に耐へる
7
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コタロー
亡き犬も連れて來たいなドックランはしやいで吠えて走つてジャンプ
9
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うすべに
はかなくて 夏のなごりのさくら貝 壊れるものと知りつつ拾う
13
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水色一揆
さしのべしその手懐かし白椿未生の姉は中空に萌す
10
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灰色猫
憧れの歌集のカバーを外す時あなたの服を脱がせるみたい
12
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灰色猫
猿山で寝転ぶボスに如意棒を与えてはだめ与えてはだめ
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