やねうらねこさん
のうた一覧
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結び目がほどけず積み荷をおろせない過熱炉心の報道つづく
平成二十三年三月十九日
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品書きに「草のスープ」の文字が見ゆカモシカ牧場わきの食堂
平成二十三年二月二十六日
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太陽系第三惑星地球に立つ吾の目のまへを月昇りゆく
平成二十三年二月二十六日
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袋には入らぬサイズの硝子板 霜ふる朝に取り残されて
平成二十三年二月二十六日
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空港の駐車料金わりびきは誰かが釣り糸たれてるやうで
平成二十三年二月二十六日
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影のない白きま昼に雪は降る山野に淡き春を眠らせ
平成二十三年二月二十六日
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鹿が声ふりしぼる夜を軍神にはべる刃の月の滴り
平成二十三年二月二十四日
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微熱もつ手に沫雪のほどかれて冷たき空の雫を残す
平成二十三年二月二十四日
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手さぐりにレンジへ火を入れ氷ごと温めひとりの夜をやり過ごす
平成二十三年二月二十三日
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冷え込みのきびしい朝を軋ませて氷柱のついた水車がまはる
平成二十三年二月二十三日
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風が火をさらつていつた降りつみし雪あしもとのおぼつかなくて
平成二十三年二月二十三日
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地下深く閉ざされてゐた雪解けのみづのいのちのほとばしる朝
平成二十三年二月二十三日
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いのち持ち動き出すやう山越えのヘッドライトに浮かぶ木の影
平成二十三年二月二十三日
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ふところで壊れたキャッシュとりおいたきみの写真はモザイクとなる
平成二十三年一月十日
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寒空に男五人を詰め込んだおしくらまんぢゆう駅を出でゆく
平成二十三年一月九日
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唐突に師走三日が元日となりて新暦 笑ふ大蔵大臣
平成二十三年一月九日
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堰をきり電車のなかへ押してゆく流れのさきの影おぼろなり
平成二十三年一月九日
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寒ぶりの切り身およがせ喋らせり大事なものは金庫の中だ
平成二十三年一月八日
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後輪は空転ばかり雪の坂あきらめ下りてゆくBMW
平成二十三年一月八日
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シャーベットみたいな雪を蹴散らして走る四駆の軽トラ軽し
平成二十三年一月八日
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