恣翁さん
のうた一覧
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夕月夜 出で湯の町の赤き灯の 揺れて遠退く 湯帰りの路
令和七年十二月十三日
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湯巡りの空に冴え冴え 寒月の 冷たき影を投げかくるかな
令和七年十二月十一日
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薄霜に光れる戸外を眺めつつ 鳴れる鉄瓶 爪に弾けり
令和七年十二月四日
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首筋を抜くるすがらに 木枯らしの 芭蕉の枯れし葉を鳴らしけり
令和七年十二月二日
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何時かしら止みし時雨に かうもりを畳みつ 空を仰ぎたりけり
令和七年十一月二十五日
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寒き陽の 波止の向かふの海に落ち けふも暮れぬる初冬の一日
令和七年十一月二十三日
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冬の陽に包まれ 枯木音もせで 静か夜に似て風尽きぬなり
令和七年十一月十四日
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フォンテーヌブローの森に 冬掛かる宿り木 月の抜け殻なめり
令和七年十一月十二日
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村上 和子の短歌 丈高...
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一面に靄の降りたる 垣根なる朝顔 茶色く干涸らびにけり
令和七年十一月十日
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はらはらと降れる時雨に 濡れながら歩く背筋に 悪寒の走る
令和七年十一月九日
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深みゆく秋の寒さを やうやくに知れや 虫の音いや細りぬる
令和七年十一月五日
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夕時雨 セピア色にし 街を染め 点滅したる灯の滲みけり
令和七年十一月四日
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昭和47年10月30日は時雨模...
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如意ケ嶽 登るに 友と悪させし 未熟の「時」の反芻せらゆ
令和七年十月三十一日
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昭和47年10月30日、風流心...
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魚屋の棚に 切り身の塩鮭の 朱色の並ぶ初時雨かな
令和七年十月二十八日
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仲の秋 月出づる庭明らかに 晩の静けく更くべかりけり
令和七年十月十八日
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正体もなく 枕上に横たふる首や 夢の底に埋もるる
令和七年十月十四日
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暮れ滞む街に響ける鐘の音の 心細げに 何やら寒し
令和七年十月十二日
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蓋を取る味噌汁椀に立つ湯気に 散らしたりける輪切り南蛮
令和七年十月十一日
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詩の涸れて 先ゆく人に倣ふ吾の 渇き切りたる心を嘆く
令和七年九月二十八日
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長き夜の冷たき床に 水のごと馴れ合へるらし 私の孤独
令和七年九月二十七日
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