佐々一竹さん
のうた一覧
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逆転は前触れもなくやってくる期待しすぎず備えに励め
平成二十四年十二月二十九日
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漱石と名乗る以前の青年が升と交わしし厚き友情
平成二十四年十二月二十八日
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気の利いたことばをサッとメモにとり思い出すのは何年先か
平成二十四年十二月二十八日
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忘れてたわけではないがためらっているとなかなか歩き出せない
平成二十四年十二月二十七日
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一歩ずつ前へと進むそのうちにゴールテープがやってくるから
平成二十四年十二月二十七日
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選ばれるために生きてる訳じゃない熱い煎茶を少しずつ飲む
平成二十四年八月八日
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目立たない場所を選んで生きてきたことを誇りに思える自信
平成二十四年八月八日
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鳥と島の一字の違いに気がつかず誤読のままの一首なりけり
平成二十四年二月二十七日
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儲かるがすべての鍵となる世にて損得抜きの言葉をかわす
平成二十四年二月二十五日
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行き詰まることを見越して迂回路を準備しておくこの手際よさ
平成二十四年二月二十二日
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まだ次の一手が読めぬ夜深く重たき闇のなかでさまよう
平成二十四年二月二十二日
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山なみの見えない街に住んでいる高層ビルに空切り取られ
平成二十四年二月二十一日
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朝まだき凍つる空気が頬を刺し新聞少年自転車を漕ぐ
平成二十四年二月二十一日
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春浅し甘藍畑に眠りたる白き魂かたく閉ざして
平成二十四年二月二十日
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鈍行とかつて呼ばれていたばずだ普通電車という名のそれは
平成二十四年二月十四日
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冬眠の熊がもうすぐ目を覚ます気は急いている手が進まない
平成二十四年二月十三日
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狼の遠吠え険し冬空の彼方またたく星へと届く
平成二十四年二月十三日
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六色の色鉛筆を取りだして素描などせんこの週末は
平成二十四年二月七日
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孤独とは孤立ではない孤高でも孤絶でもない独りの時間
平成二十四年二月六日
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手際よく鉛筆削る手元には鈍く輝きたる肥後守
平成二十四年二月六日
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