澪子さん
のうた一覧
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6階の窓から見える病院に母の恢復祈る夕暮
令和六年十月十二日
8
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母さんの住んでた頃は桃色の木槿咲いてた生家の庭よ
令和六年五月十九日
12
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この春も母との花見できぬままはやも散りゆく水無瀬の桜
令和六年四月二十九日
6
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盲目の父の手の指あたたかく並んで歩く葉桜の道
令和六年四月二十八日
17
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久々に編んでいますよ母さんのサマーセーター淡い緑で
令和六年四月二十二日
12
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飴色に使い込まれたつげ櫛に祖母の匂いは微かに残る
令和六年四月十二日
17
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何気なく描いた祖父の似顏絵は鼻の穴だけ不思議とリアル
令和六年二月二十六日
12
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母の住む老人ホームに春の雪しづかに降れり花の如くに
令和六年二月二十二日
14
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紙風船打つ手優しき祖母の目は白く潤みて空を眺むる
令和六年二月十八日
14
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カーディガンかなぐり捨てて祖母は行く風船バレーの決勝戦へ
令和六年二月九日
11
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入院の夫はもつと寒かろと一人の居間のストーブを消す
令和六年二月六日
13
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亡父との最後の会話今もなお思い出せずに十三回忌
令和六年二月三日
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名も知らぬ父祖の眠れるカロートの眞ん中に置く父の骨壺
令和六年一月三十日
8
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廃屋の生家に母が好みたる冬蒲公英は今や咲くらむ
令和六年一月二十三日
8
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出鱈目をもつともらしく云ふ父を時に憎みて今は愛せり
令和六年一月二十一日
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