坩堝さん
のうた一覧
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芒原朝日を受けて銀の色露の涙に君を想わん
令和三年九月十六日
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秋の床虫の音耳に心地良し風流気取る言無く寂し
令和三年九月二十日
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背中から君の鼓動を感じれば覚めずに過ぎる僕の眠りは
令和三年九月一日
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築山に隠れし君を追いかけて池の面を驟雨が叩く
令和三年九月十一日
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み仏に坐して向き合う秋の暮沈む夕日が我を彼岸に
令和三年九月十八日
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十六夜は夢喰む獏が枕辺に喰われてなるか君との逢瀬
令和三年九月二十三日
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野仏に手向ける小菊野辺に摘む棚引く雲を山肌が着る
令和三年九月二十八日
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夜の浜花火見つめる君を見て僕の心はあの満つる月
令和三年八月二十三日
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十六夜の赤い月出て目を射れば怪しき魔力我に宿れり
令和三年八月二十四日
5
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見返りて時戻らずもこの路は映してくれるあの日の君を
令和三年八月二十六日
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二十日目の黄色い月が薄雲を纏いし時に二人合わせる
令和三年八月二十八日
5
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手を合わせ祈る時には思い出す幼き手取る父の掌
令和三年九月二日
5
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髪を梳く君の姿を鏡越し差し込む朝日何処へ隠す
令和三年九月十日
5
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白砂で交わした契り波に消え麦藁帽子松の根元に
令和三年八月二十日
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溜まり水しゃがんで覗く子らの目に躍るボウフラ和金の背びれ
令和三年八月十九日
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オリオンを見つめる君は目を閉じず慌てた僕は朝焼け色に
令和三年八月十九日
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路地裏で見かけた老婆怪しいと探偵気取り隣住む祖母
令和三年八月二十七日
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発熱で寝込む貴方の枕頭に祖母が現れ共に朝まで
令和三年九月六日
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勝虫を追いて迷いし山道で木霊は笑う地蔵微笑む
令和三年九月十二日
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月明かり照らす水面で魚跳ねる深く眠れる君は気づかず
令和三年九月二十二日
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