鷹枕 可さん
のうた一覧
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自殺海岸泳げる若者へ射抜かれてみづから車の下へ照るアポロ
令和六年六月四日
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檻車押しつつ奴隷運ぶ牡丹は緋ににじみそむ、エディプス!
令和六年六月四日
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絵言葉の闇綴ぢひらく偽教父いつよりこのをとこわが鑑
令和六年六月四日
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薔薇と釘かはたれに死し基督の仔のあらざるを切に嘉さむ
令和五年十二月十日
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繭煮つつ母親は血の通はざる双仔を擁きて放すもあらず
令和五年十二月十日
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すなあらしにたちまち乾く花殻の汝もろびとを罰よりかばふな
令和四年五月十八日
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かたきさへ花籠の毬刎頸のかずしれず髑髏かつては肉慾に殉じぬ
令和四年五月十八日
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薔薇の譜を避けてもをろかなるみづの鏡へ沈くひとりこそをへて
令和四年五月十八日
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水くくる廃都の跡へ藤添ゆれば神罰の誓言 はたすべき今をなせ
令和四年五月十八日
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纏ひ附く百合の喩へのいみじからば雁の図形はくづれかへりぬ
令和四年三月二十八日
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娼婦私生児しかれども父祖に肖てはなやかなる頬 実を衒はば
令和四年三月二十八日
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小約翰まぎらはしくも謄本へ添ゆる洗礼名さへみわけがたかり
令和四年三月二十八日
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放蕩の返済が果追はれつつ葡萄圃に裸婦は序する福音、鳩卵
令和四年三月二十八日
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埋葬費をりしもてなぐさみに染むとはいへ罌粟は防火壁のもとにぬかづき
令和四年三月二十八日
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時を俟たばけふもまた旧りてゆくともひとときの花ならでなどはなと匂へる
令和四年二月六日
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ゆふつかたに霞みこそすれ芍薬の花の嫉ましきをしばし睨めをり
令和四年二月六日
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日傘差すとも詩歌は加虐に過ぎざれば曳きぬ黒よりもなほくらきこそを
令和四年二月六日
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経巡るをひともとの枝になぞらへらば世は花 惜別に灯れる
令和四年二月六日
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鳩少年郵便脚夫をまちがてに柴咥えつつ家をいでたり
令和三年五月二十九日
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蕭条たるアパルトメントに反吐を乞う媼ありけり。這い蹲りて
令和三年五月二十九日
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