草木藍さん
のうた一覧
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両の手でゆっくりすするぬるいお茶本を読み終え余韻に浸る
令和六年十一月十五日
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霜月のひと月遅れの衣替え夏日のような日差しのなかで
令和六年十一月四日
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用意だけはしておかなくては。
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早朝の大雨止んで青い空吊るした柿にそそぐ秋の陽
令和六年十一月二日
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理由もなく心ざわつく秋の雨いっそ出かけよ憂さも晴れよう
令和六年十一月一日
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蒸し暑い湿った風と虫の音と居座る夏と顔出す秋と
令和六年八月二十日
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心地よい涼風入る夜明け前火照った大地やっと鎮まり
令和六年八月十一日
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大雨にベンチに避難かたつむり二匹並んで心配そうに
令和六年六月十九日
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痩せこけた腕で万歳これまでの苦労忘れて今際の母は
令和六年六月十八日
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母が亡くなって十年。「幸せやった...
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ひと手間をかけたご褒美春の香を愉しむ厨つわぶきを煮る
令和六年四月二十二日
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茹でたものも売っていましたが、や...
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梅の枝に小さな雫見つければ今年の実り楽しみとなり
令和六年三月十五日
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梅の実の赤ちゃんが。
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悔しさをこらえる日々はもうやめて何かをさがすあてどなきまま
令和六年二月十二日
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春立てば日脚も伸びて切なさも少し和らぐ家路つくころ
令和六年二月六日
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お煮しめと黒豆つくる大晦日お重に詰めて子の帰り待つ
令和五年十二月三十一日
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年末に訪ねてみれば墓仕舞いつながる人の遠くなりゆく
令和五年十二月三十日
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薄暗い朝の門口蜘蛛の巣に絡め取られて小さな悲鳴
令和五年十月九日
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蜘蛛さんよ、門のところに巣を張る...
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煙る山静かな雨と黄葉とピアノの音色 心溶く秋
令和五年十月八日
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居間から見える景色、ラジオのピア...
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ひと夏の役目を終えた花ござを畳めば仄か藺草の香り
令和五年十月八日
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朝ぼらけ急に冷え込む神無月朝日の射せば温み届いて
令和五年十月六日
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天日干し刈田に柔し秋の陽よ稲に染み入り甘みと化すや
令和五年十月五日
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対岸の水面に揺れる街灯り暗い岸壁秋風寒し
令和五年十月四日
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