鷹枕さん
のうた一覧
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韻律に抗へよ私を疑ふ如く 黒罌粟畑に幾体かの雌雄両性像
平成二十六年三月十五日
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基督者告解室にしどけなき裸婦像の垂下劃して市長は抛擲されり、鐘楼より
平成二十六年二月二十七日
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髑髏の接吻鏡像を癒着しては死を愛すゴチック様式為すは城塞、牆壁、百合根
平成二十六年四月十六日
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海胆肝に朱差して錫漿の如き殻 飆飆たるサルバドール・ダリ忌に蝶の触覚
平成二十六年二月二十七日
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まづ歌を弑すべく 突然眼裏の白木蓮稲妻に裂くる如し深き海溝に頷きて
平成二十六年二月二十七日
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聖テレジアの法悦或は 堅き百合根の鱗茎は無秩序なる幾何学的形象に呑まれをり
平成二十六年二月二十八日
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憎まれてをり微笑み以てそへいらふ悪の白連翹華捧ぐるもルドン忌の黴
平成二十六年三月一日
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鏖殺の滅菌処理室に凝乳溢るれば骸骨式奴隷の有蓋檻車に錆鉄色の格子
平成二十六年三月一日
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世界への憎悪としての一粒の葡萄在り海峡に死火山沈くとも
平成二十六年三月一日
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鼠蹊皮膚炎いづれも均しく死にゆきて劃てる轢死と黒十字の鉤裂
平成二十六年三月二日
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風景の調和即ち人工製の三脚附きトルソ「断食週間に於る種入麺麭に基く救済法」
平成二十六年三月二日
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鋼版画は腐蝕液に漬かり泡立つを 溺溺たる定型呪縛の韻律を憎みしが
平成二十六年三月四日
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無銘墓碑群けふもあらむに無人駅舎にて丸時計抱へる盲の修道尼名を「希望」と告ぐ
平成二十六年三月四日
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Anima dannata 仄暗き口蓋裂に叫喚の滓すなはち死の胎児
平成二十六年三月八日
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おまへさへあらざりしかば恩寵もありけるに天堂の幻視に熾天使
平成二十六年三月八日
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楕円の神秘陶酔に幾何学者達の鮮血アクリルを白く塗潰し
平成二十六年三月十二日
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現代短歌批評家の非在を独房に託つ種々の狂気、却説この鳩舎を創りしは誰
平成二十六年三月十五日
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謂ふなれば美術と工芸の間職人術の如き建築家構想
平成二十六年三月十五日
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定型性への懐疑がわれを捉へる。わ...
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標本に飽く 然らば一匙の蕁麻草のピューレよ青年が慾するべき領野は熟麦に非ず
平成二十六年二月二十六日
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みづ被りておもふ美術とは思想の短剣隠し持つ唐菖蒲
平成二十六年二月二十六日
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